研究課題
長崎県五島在住の住民を対象に脆弱性骨折の重要な危険因子である骨量を測定した。対象者は男性42名(平均年齢60.5、標準偏差14.5、範囲30-86歳)、女性234名(平均年齢59.8、標準偏差12.7、範囲21-86歳)の計276名である。骨量は踵骨超音波法を用いて測定し、スティッフネス・インデックス(SI)を骨量値とした。男性のSI平均(標準偏差)は40歳未満90.4(17.4)、40歳代85.4(16.4)、50歳代108.7(31.8)、60歳代88.2(15.4)、70歳代83.2(13.4)、80歳代77.3(6.9)だった。60歳代以降SIは低下傾向にあったが、統計学的には有意ではなかった(P=0.37)。女性のSI平均(標準偏差)は40歳未満91.7(13.5)、40歳代93.3(16.7)、50歳代79.7(13.3)、60歳代71.0(10.8)、70歳代63.5(10.5)、80歳代62.2(7.5)だった。女性においては、年齢が高くなるに従って有意にSIは低下した(P<0.0001).男女間では50歳代以降は男性に比し女性のSIが低値を示した。日本骨代謝学会の骨粗鬆症診断基準に従い、若年平均値の70%未満を骨粗鬆症と定義した。骨粗鬆症有病率は男性の40歳未満16.7%、40歳代20.0%、50歳代0.0%、60歳代6.3%、70歳代18.1%、80歳代0.0%だった。女性では40歳未満、40歳代0.0%、50歳代11.1%、60歳代24.1%、70歳代60.0%、80歳代62.5%だった。70歳代以降では半数以上の者が骨粗鬆症であった。
すべて 2005
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