研究課題
長崎県五島在住の住民を対象に脆弱性骨折の重要な危険因子である骨量と骨吸収の状態を反映するとされている尿中NTxを測定した。対象者は男性192名(平均年齢60.0、標準偏差11.2、範囲39-89歳)、女性357名(平均年齢63.4、標準偏差10.7、範囲29-86歳)の計549名である。骨量は踵骨超音波法を用いて測定し、スティッフネス・インデックス(SI)を骨量値とした。尿中NTxは午前中に受診した50歳以上の者から採尿し、クレアチニン比で表した。尿中NTxを測定できたのは男性96名、女性186名だった。男性のSI平均(標準偏差)は40歳未満98.7(15.4)、40歳代94.3(13.1)、50歳代90.1(16.8)、60歳代83.2(17.2)、70歳代80.0(15.9)、80歳以降72.4(13.5)だった。60歳代以降SIは低下傾向にあった。女性のSI平均(標準偏差)は40歳未満81.2(29.4)、40歳代90.4(16.6)、50歳代77.6(12.8)、60歳代65.9(12.6)、70歳代63.3(12.8)、80歳以降52.6(8.3)だった。女性においては、年齢が高くなるに従って有意にSIは低下した(P<0.0001).男女間では50歳代以降は男性に比し女性のSI低値が顕著だった。日本骨代謝学会の骨粗鬆症診断基準に従い、若年平均値の70%未満を骨粗鬆症と定義した。男性の尿中NTx/Crの平均(標準偏差)は50歳代33.3(10.3)、60歳代31.4(12.3)、70歳代39.9(26.6)、80歳以降35.8(14.2)だった。女性の尿中NTx/Crの平均(標準偏差)は50歳代54.3(21.3)、60歳代56.9(23.6)、70歳代53.8(18.9)、80歳以降60.1(28.1)だった。男性に比べ女性で高く、女性における高骨代謝回転が示唆された。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
J Physiol Anthropol 25(6)
ページ: 371-375
Acta Med Nagasaki 51(3)
ページ: 89-94
Tohoku J Exp Med 210(1)
ページ: 11-19
J Bone Miner Metab 24(4)
ページ: 344-348
Ann Rheum Dis 65(1)
ページ: 134-135
Clin Anat 19(1)
ページ: 59-67