研究概要 |
本年度は,コシヒカリ/カサラス染色体部分置換系統(SL-231)のBCIF4とササニシキ/ハバタキ染色体部分置換系統(SL-417)のBC1F4を用い,それらの成熟葉のソース機能および葉鞘のシンク・ソース変換機能に関する詳細なQTL解析を行った。 1)これまでのコシヒカリ/カサラス染色体部分置換系統(SL-231)と戻し交配F2集団(BC1F2)を用いた解析の結果,第10染色体上に止葉単位葉面積あたりのルビスコ量のQTL(q-Rbh10)と第3葉鞘の非構造性炭水化物(NSC)濃度のQTL(q-Nscls10)が得られている。世代を進めたBC1F4(約200系統)を用いた同様の解析の結果,二つのQTLは同じ第10染色体であるが異なるマーカー間に存在し,ルビスコ含量とNSC濃度の相関係数も低いことからそれぞれ異なる遺伝子の可能性が示唆された。 2)これまでのササニシキ/ハバタキ染色体部分置換系統(SL-417)と戻し交配F2集団(BC1F2)を用いた解析の結果,第5染色体上にルビスコ量のQTL(q-Rbh5)と第3葉鞘のNSC含量のQTL(q-Nscls5-1, q-Nscls5-2)が得られている。世代を進めたBC1F4(約5000系統)を用いた解析の結果,NSC濃度に加えてNSC含量のQTLも同様の場所に存在することが明らかとなった。また,NSC濃度および含量のQTLについては,約60Kbpの範囲に狭めることができた。
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