研究課題
本研究では植物と病原菌の相互反応における宿主特異性の分子機構の一例を明らかにすることを研究目的として、具体的には1)申請者らが既に得たレセプター遺伝子mRNA結合蛋白の遺伝子にミトコンドリア移行シグナルをつけて感受性植物で発現させミトコンドリアでのレセプター遺伝子の翻訳を阻害する、2)ACR毒素生合成遺伝子クラスターの座乗する1.05Mb dispensable染色体の配列構造・機能解析、3)tRNA-Ala切り出し前の前駆体RNA過剰発現によるレセプター遺伝子の翻訳阻害、の3課題を推進する。本年度は,ACRSmRNAアフィニティーカラムを用いて単離に成功した分子量30kDのACRSmRNA結合蛋白のN末と内部アミノ酸配列をもとにプライマーをデザインし、RT-PCRで得た本30kD蛋白遺伝子の部分領域からレース法を用いて本遺伝子の単離を進めた。幾つか明らかにした遺伝子の大腸菌発現産物とACRSmRNAの結合アフィニティー解析が進展中である。ACR毒素生合成遺伝子クラスターの座乗する1.05Mb dispensable染色体の部分領域約100kbが挿入されたBACクローンの配列をBLAST/FASTA解析、発現確認、分布検定し、数十個のORFの中からACR毒素生産菌に特異的に座乗するORFを4つ選抜し、そのうちの1つについて相同組み換えを介した標的遺伝子破壊法で、標的遺伝子の欠損が毒素生産に与える影響を検定した。その結果、複数コピーある本遺伝子の1コピー破壊によりACR毒素生産が減少し、本遺伝子が毒素生産に関与することが明らかになった。
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