研究課題
本研究は、ACR毒素レセプター遺伝子mRNA結合蛋白の遺伝子の解析と応用や、ACR毒素生合成遺伝子クラスターの配列構造・機能解析等を推進している。本年度は、ACRSmRNAアフィニティーカラムを用いて単離に成功した分子量30kDの品種間の局在性をより明確にした。本蛋白は毒素耐性品種のミトコンドリア画分に局在することが明らかとなった。また、ACRSmRNA結合蛋白は、ACR毒素耐性の品種のミトコンドリアには存在するが、毒素感受性の品種では検出できなかった。この成果は、毒素耐性品種では、本蛋白がミトコンドリアにおけてACRSmRNAに結合することにより毒素レセプターへの翻訳を阻害し、レセプターの欠損から毒素耐性化しているという現在の作業仮説を支持する結果であった。N末と内部アミノ酸配列情報をもとに、RT-PCRとレース法を用いて本遺伝子の単離を進め、幾つか明らかにした遺伝子の大腸菌発現産物とACRSmRNAの結合アフィニティー解析を進展させ、ACRSmRNAとの結合を確認した。ACR毒素生合成遺伝子クラスターの座乗する、1.05Mb染色体の部分領域約100kb中の数十個のORFの中から、ACR毒素生産菌ゲノムに特異的に座乗するORF4つの全ゲノム、cDNA配列を決定し(ACTTS1-4)、そのうちの3つについて標的遺伝子破壊法で、これらの遺伝子が毒素生産に関与することを明らかにした。ACTTS1(1218bp)はnon-ribosomal peptide synthetaseを,ACTTS2(1032bp)はdehydorogenaseを,ACTTS3(7374bp)はpolyketide synthaseを,ACTTS4(4524bp)はnon-ribosomal peptide synthetaseをそれぞれコードすると推定された。
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