研究課題/領域番号 |
17208008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 明徳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30125885)
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研究分担者 |
堀内 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00209280)
福田 良一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (50323481)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | Saccharomyces cerevisiae / Yarrowia lipolytica / phospholipid uptake / acyl chain remodeling / phosphatidylethanolamine / phosphatidylcholine / cytochrome P450ALK / alkane hydroxylation |
研究概要 |
酵母の脂質動態と代謝に関わる細胞機能について以下のような研究成果を得た。 1.Saccharomynes cerevisiaeに取り込ませた安定同位体標識を付した短鎖リン脂質はホスファチジルエタノールアミン(PE)とホスファチジルコリン(PC)ともに短鎖アシル鎖が通常の酵母の脂肪酸アシル鎖に置き換えらており、その中間体として短鎖アシル鎖と通常アシル鎖の両方有する標識リン脂質が検出された。これらのリン脂質の細胞内への取り込みにはLEM3遺伝子産物が調節因子となっているP-型ATPaseが関わること、さらに、PEの場合にはSLC1とALE1によってコードされる2種のリン脂質sn-2位に特異的なアシルトランスフェラーゼが関わることが示唆された。かくして、酵母は膜リン脂質のアシル鎖を変換する活性を持ち、その点高等真核生物と共通である。 2.アルカン資化酵母Yarrowia lipolyticaではアルカン存在下に活性化因子Yas1pとYas2pがアルカン誘導性遺伝子のプロモーター上にあるARE1に結合して転写を活性化する。新たに抑制因子Yas3を発見した。この因子はアルカン存在下では小胞体に局在し、アルカンが無いと、核に局在した。Yas3pのS.cerevisiaeにおけるオルソログOpilpは小胞体に結合する時にホスファチジン酸(PA)への結合が想定されているので、Yas3pにタグを付け、PAへの結合性を調べたところ、やhり、PAに特異的に結合した。これらの研究を通して、アルカンの有無によって特定のリン脂質の量が変動し、それが、Yas3pの局在をコントロールする可能性が示された。アルカンのような強い疎水性の物質による調節を解明する重要な手がかりが得られた。
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