研究課題/領域番号 |
17208010
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
及川 英秋 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00185175)
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研究分担者 |
大栗 博毅 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80311546)
常盤野 哲生 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50312343)
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キーワード | ポリエーテル / 生合成 / ポリケタイド / 環化酵素 / 酸化酵素 |
研究概要 |
既に取得したポリケタイド合成酵素(PKS)遺伝子が目的のPKSと合致しなかったため、縮重プライマーで得られた異なるDNA断片をプローブに再度ラサロシド生合成遺伝子クラスターの取得を試みた。新たに得られたコスミド解析により、PKSを構成する12個のモジュールのうち、M3~M10をカバーする36kbの情報が得られた。このPKSの各モジュールにはラサロシド前駆体であるプレラサロシドの酸化度と一致するドメイン数が存在し、3種類の異なる伸長単位に対応したアシル基転移酵素ドメインが予想位置に見出された。以上の結果より、ラサロシド骨格の主鎖を生合成するPKSが見つかったことになり、本プロジェクトで最も難題である環化に関わる酵素遺伝子の解析は時間の問題となった。今後クラスター上に存在する残る生合成遺伝子の解析を進める予定である。 ポリエーテルの環化機構解析で、もう一つの問題は酵素基質の特定である。候補基質の合成は既に二重結合の混合物を与える形で合成経路を検討していたが、2種ある二重結合に関するすべての異性体が立体選択的に合成できる効率の良い経路を開発することにした。二重結合部分は対応する三種結合への位置および立体選択的ヒドロジルコニウム化、根岸カップリングを組み合わせることにより合成した。中央のセグメントはsyn-選択的アルドール反応、ヒドロホウ素化を行った後、二重結合部と鈴木カップリングにより連結した。残る重水素標識の導入を経た後、芳香環を有する左セグメントとanti-選択的アルドール反応により主鎖構築を行い、プレラサロシドを合成した。こうして得られた重水素標識前駆体のラサロシド生産菌への投与実験により、プレラサロシドが環化前駆体であることを確認した。これによりポリエーテルの環化機構解析を進める上で前段階の課題をすべて克服することに成功した。
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