研究課題/領域番号 |
17208012
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸谷 知己 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授 (40112320)
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研究分担者 |
山田 孝 大学院農学研究院, 助教授 (20333635)
菊池 俊一 大学院農学研究院, 助手 (10250490)
真野 明 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (50111258)
木村 正信 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (30108063)
眞板 秀二 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (50015864)
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キーワード | 台風災害 / 二次災害 / 樹幹傾斜 / 斜面浸食加速 / 土砂生産 / 浮遊砂沈殿 / 連鎖性 / 地表態系の撹乱 |
研究概要 |
台風によって発生する風倒木や斜面地盤の脆弱化が、土石流、がけ崩れなどの斜面土砂災害とその後に連鎖的に二次、三次災害を引き起こすプロセスを、風倒木、樹幹傾斜、斜面崩壊・がけ崩れ、土石流、洪水氾濫・堤防決壊、波浪・堤防決壊、さらに生態系撹乱、土層剥離、土砂生産、土砂再移動、浮遊砂沈殿、表面流増加、斜面浸食加速、土砂流出、浮遊砂流出への連鎖メカニズムとして解明した。 今年度は、北海道、宮崎県、宮城県、愛媛県、三重県、新潟県における台風被害地の調査、および海外では、中国黄土高原における階段式農耕の発達とガリー侵食、韓国東海岸江原道における山火事跡地における台風災害を調査した。いずれも現在解析中であるが、台風による斜面撹乱が単独で影響を及ぼすケース以外に、山火事(韓国東海岸)や農耕などの土地利用方法(中国黄土高原)が潜在的な影響を及ぼすケース、地震と台風豪雨の相乗効果によるケースがあることがわかった。また、台風の風の影響は地域全体に及ぶのではなく、沢筋や尾根越風部などに集中的に及び、またこれらの場所に特有の生態系が成立していることから、地表生態系のあり方自体が被害伝搬の原因となっていることがわかった。 研究成果として、台風14号による宮崎県の土砂災害(谷口・清水)、Sediment pulseに起因する非平衡土砂流出(宮崎ら)、RURA台風による韓国東海岸地域の土砂災害(木村ら)、西イランでのデータを用いた洪水伝搬(真野ら)、広瀬川の災害環境(真野ら)、災害後の有機物分解過程(柳井ら)が報告された。
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