研究課題/領域番号 |
17208014
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白石 進 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70226314)
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研究分担者 |
近藤 隆一郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80091370)
長谷川 益己 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (00372756)
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キーワード | 林木育種 / 環境 / 林学 / 京都議定書 / DNAマーカー / 容積密度 / 繊維長 / パルプ化特性 |
研究概要 |
1.DNA分子マーカーを導入した新林木育種システムの構築 高い雑種クローン鑑定能を有するMuPSシステムの開発では、既にAcacia mangiumで開発されているMuPS分析系を発展させ、ハイブリッドアカシアで効率的にクローン鑑定ができるよう改良を加えた。A.mangiumとA.auriculiformisサンプル(計96個体)を用いRAPD分析を行い、その48フラグメントをDNAクローニングし、塩基配列を決定した。得られた塩基配列情報からSNP(simpe nucleotide polymorphism)が存在する23領域を探索した。このうちの6領域を1セットとして、MuPS分析系に利用可能となった。また、ファルカタリアについても同様の分析を行い、20個のDNAマーカーが開発された。 2.パルプ化特性関連形質の種内・種間変異性の評価 次年度に実施するパルプ化特性関連形質の評価に向け基礎的研究をアカシアで実施した。まず、繊維長測定法では、測定方法および木材試料のサンプリング方法を検討した。その結果、(1)繊維長の測定は,木材試料を氷酢酸・過酸化水素水混合液中で加温(80℃)処理する、(2)現地での木材試料のサンプリングには、電動ドリル式の成長錘を用い立木の胸高部位から木材コアを採取するのが効率的であることを明らかにした。また、ワックス成分、樹脂成分の定量法を確立するために、A.mangiumとA.auriculiformisの円盤を現地インドネシアより入手した後、その一方からはそのまま木粉を調製、他方からは成長錘を用いて木材コアを採取し、粉砕・調製した。その結果、両者間の測定値に明確な差異は認められず、簡便である成長錘による木材試験採取法でも良いことが確認された。さらに、抽出成分分析を試み、アカシア材に特有なトリテルペノイドの存在を明らかにした。
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