研究概要 |
平成20年度は,次のとおりである。 (1)DNA分子マーカーを導入した新育種システムの構築:新育種システムの根幹となる簡便・効率的なDNAタイピング法(SSR(simple sequence repeat)マーカーによる親子鑑定システムとSNP(single nucleotide polymorphism)を利用したクローン鑑定システム)を完成させた。 (2)パルプ化特性関連形質の種内・種間変異性の評価と精英樹クローンの選抜:パルプ収量(繊維長,容積密度)およびパルプ化特性(リグニン含量)について,次世代化による育種効果を推定した。 (3)検定林レス時代検定法による次(第三)世代選抜集団林の造成:第三世代以降の育種基盤となるアカシアマンギウムとアカシアアウリカリフォルミスの第二世代精英樹選抜集団林(100ha)を,インドネシア造林公社(Perum Perhutani)の協力を得て,平成20年10月に西部ジャワ・ボゴールに造成した。 (4)アカシアマンギウム・アカシアアウリカリフォルミス種間雑種採種園の造成:種問雑種創出のための採種園(bi-species seedling seed orchard,3ha)をインドネシア・Centre for Forest Biotechnology and Tree Improvement Research(CFBTIR)のオノギリ試験地(中部ジャワ)に平成21年2月に造成し,次世代品種の創出基盤を整備した。 (5)今後の研究展開(戦略)への対応:上記の次世代選抜集団林および種間雑種採種園を活用し,本研究成果を社会実装させるため,今後の研究展開・戦略についてCFBTIRを含めて検討した。これをもとに,科学技術振興機構(JST)の競争研究資金(地球規模課題対応国際科学技術協力事業)に申請したが,採択には至らなかった。
|