研究課題/領域番号 |
17208018
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
植松 一眞 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00116542)
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研究分担者 |
岩田 穆 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30263734)
安藤 正昭 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (10100976)
吉田 将之 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (70253119)
吉田 毅 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (30397989)
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キーワード | 神経活動 / 魚類 / LSI / 遠隔無線記録 / 電極 / 小脳 / 学習 / 生理 |
研究概要 |
1)昨年度に発注した新設計テレメトリーLSIの動作試験を行った。これは集積化された増幅回路、AD変換回路と無線送信回路からなり、同時に最大10chの入力情報を処理できる。新たに開発した入力段の低インピーダンス対応、低周波ノイズ低減化CMOSオペアンプには、独創的な設計の低雑音回路とオートゼロ回路が組み込まれている。模擬神経信号を用いたシミュレーションでは期待した通りの性能が確認された。すでに相同の装置を用いて、神経筋遮断薬で不動化したキンギョ小脳から神経活動を取得・無線搬送・受信・再現することに成功しているので、当初の目的にふさわしい新規LSIを開発することができたと判断する。しかし、本LSIを実際に魚の脳に装着し、脳神経活動を導出記録するには至らなかった。 2)本LSIを元に開発されたCMOS温度センサーを、人間用の「飲むバイオセンサー」として実用化するための研究が進められている。 3)心拍動や呼吸運動を指標とする古典的恐怖条件付けを用いた、キンギョ小脳の部分破壊実験と小脳への局所麻酔薬投与実験により、小脳が学習の場の1つであることを確認した。 4)海水に馴致したウナギは水分を保持するために海水を飲む。末梢で受容した渇きの情報はペプチドである飲水調節ホルモンを介して脳に伝えられる。渇き情報の感覚一次中枢であるウナギの脳部位を絞り込み、さらに特定するための標本と実験手法を確立した。今後、電気生理学的に証明されることが期待される。
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