| 研究概要 |
自然湖沼や河川,湧水湿地に加え,農業用用排水路のような人工的水利施設,さらには農地や都市域などの流出系により構成される地域水系ネットワークを対象として,先に開発した局所1次元開水路系における流れと水質の挙動に関するモデル,1次元,2次元,3次元領域における飽和-不飽和浸透流解析モデル,2次元開水路洪水流モデルなどの数値解析モデルのさらなる改良と,これらの数値解析モデルを最適化モデルに組み入れることにより達成できる汚濁排出負荷の最適管理,施肥計画の最適化,水質観測点の最適配置問題について,より詳細な検討を行った。このため,滋賀県高島市に設定した対象地区において,気象水質自動観測システムの運用,全6箇所の観測井における水位水温自動観測,地表水と地下水の定期的な水質調査を継続して行った。これらのデータは,モデルパラメータの推定やモデルの有効性,信頼性の検証に活用した。さらに,地表水と地下水の交換メカニズムをより詳細にモデルに組み入れるため,地区内の農業用用水路の一部区間を対象水路として選定し,詳細な水理・水質観測を行い,モデルの再現性と適用性の向上に資する現地観測を行った。また,最適化モデルによって得られる解を現実の地域水系ネットワークに適用可能であることを実証するための,流れ場,水温,水生生物の挙動を制御する試みも,再度現地において実施した。
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