研究課題
(1)(a)枯草菌ルビスコ祖先蛋白質の酵素学的特徴付けを行った。また、祖先蛋白質で保存されているルビスコ触媒必須残基、Lys175とLys201の変異導入による機能解析を行い、これらの残基が祖先蛋白質の触媒に必須であることを明らかにした。さらに、ルビスコの反応中間体アナログで祖先蛋白質の反応が阻害されることを明らかにした(現在、論文作製中)。平成18、19年度の成果から、祖先蛋白質からルビスコへの分子進化解析を行うための変異残基を決定し、枯草菌、ボルデテラ祖先蛋白質への残基置換を行っている。ボルデテラ祖先蛋白質に関して残基置換が完了した。ルビスコがオキシゲナーゼ触媒能を獲得した経緯において、リブロースビスリン酸を基質に用いるようになった進化過程も重要と考え、リブロースビスリン酸合成酵素(PRK)の分子進化研究を行った。PRK祖先蛋白質と予想されるウリジンキナーゼ(UK)の基質によりPRK活性が阻害されることを見出し、UKとPRKの進化的関連性を明らかにした。また、PRKの分子進化を解析する上で興味深い、光合成を行わない大腸菌PRK様蛋白質の機能同定をメタボローム解析により行い、数種の基質と生成物候補を同定した。(b)ガルディエリアルビスコにおいてオキシゲナーゼ反応抑制残基と想定された残基をラン藻ルビスコに導入した結果、カルボキシラーゼ活性に対するオキシゲナーゼ活性が抑制された。この結果は、植物ルビスコ改良への応用が期待されたことから、現在、植物ルビスコへの導入を行っている。(2)平成18年度に引き続き、ルビスコ生合成に異常を示すシロイヌナズナ変異株の原因遺伝子の同定を行った結果、ルビスコ生合成に関与すると予想される3つの遺伝子を同定した。これらの遺伝子はすべて機能未知であった。現在、これらの遺伝子の機能同定を行っている。
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Journal of Biological Chemistry 281・34
ページ: 24462-24471