研究課題/領域番号 |
17209002
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
桐野 豊 徳島文理大学, 香川薬学部, 教授 (10012668)
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研究分担者 |
川原 茂敬 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (10204752)
渡辺 恵 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (80302610)
北村 美一郎 徳島文理大学, 香川薬学部, 講師 (70348829)
岸本 泰司 徳島文理大学, 香川薬学部, 助手 (90441592)
窪田 剛志 徳島文理大学, 香川薬学部, 助手 (90412402)
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キーワード | 神経科学 / 脳・神経 / 瞬目反射条件付け / イメージング |
研究概要 |
1.GluRδ2欠損マウスにおける小脳依存性 GluRδ2欠損マウスに短トレース課題を学習させた後、両側の小脳を吸引破壊した。2週間の回復期間後に再び条件付けを行い、記憶保持と再学習能力を調べたところ、再条件付け開始1日目の記憶が大きく障害されていた。しかしながら、その後次第に条件応答を再獲得したことから、小脳皮質に異常があるGluRδ2欠損マウスにおいても小脳に依存して学習が行われることが示唆された。 2.小脳におけるin vivoイメージング 小脳を露出させてフラビン蛍光をビデオカメラを用いて測定し、さまざまな刺激を与えたときの変化を測定した。その結果、前足に電気刺激を与えたときに、一部の個体で一過性の蛍光の増加がみられた。 3.小脳運動学習および海馬依存性学習の分子メカニズム 瞬目反射条件付け学習において、脳内マリファナとして知られる内在性カンナビノイド受容体CB1が、小脳依存性の記憶獲得に必須であることを示した。また、海馬CA3領域の錐体細胞に存在するNMDA受容体が海馬記憶のタイミングに必須であることを示した。 4.In vivo一酸化窒素(NO)測定系の構築 微小電極法をマウス小脳に適用してNO測定を行う実験系を構築した。電極法はNOの酸化電流値を連続的に記録することで、測定系のNO濃度をリアルタイムに直接調べることのできる唯一の方法である。 5.肥満モデル動物における瞬目反射条件付け学習障害 肥満マウスを作成して瞬目反射条件付けを行ったところ、遅延条件付けにおいて記憶の保持に障害が見られた。この障害はカンナビノイドレセプター阻害剤を学習前に投与しておくと軽減されたことから、この学習障害にはカンナビノイド系の関与が示唆された。またトレース条件付けにおいては、記憶の獲得過程で障害が認められた。
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