研究分担者 |
川原 茂敬 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (10204752)
渡辺 恵 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (80302610)
北村 美一郎 徳島文理大学, 香川薬学部, 講師 (70348829)
岸本 泰司 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (90441592)
窪田 剛志 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (90412402)
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研究概要 |
1.小胞体膜を貫通し細胞膜と結合することにより,結合膜構造の形成に寄与するタンパク質であるJunctophilinが小脳のシナプス可塑性および運動学習の成立に必須であることを示した(EMBO J 26,1924-1933,2007)。また,グルタミン酸受容体δ2サブにユニットとの機能的結合が示唆されている新規ホスファターゼPTPEMGが小脳長期抑圧および瞬目反射条件付けの記憶成立に関写していることを明らかにした(Eur J Neurosci26,2269-2278 2007)。[岸本] 2.マウスを顕微鏡下に固定し,音刺激に対する小脳の応答を自家蛍光を用いて測定した。その結果,小脳虫部を中心に,蛍光の増大と減少からなる2相性の応答が記録された。小脳半球では虫部に比べて弱い応答が記録された。[川原,渡辺] 3.瞬目反射条件付けの弁別課題を用いて,長期記憶の獲得中および発現時における海馬,内側前頭前野,聴覚野などの脳波を解析したところ,海馬においてシータ波成分が高まっている場合に音に対して正しく条件応答を出すことが明らかとなった[川原]。 4.従来報告によると,in vivo脳ではμMレベルのNOが産生されている可能性がある。これまで脳神経系でのNO産生濃度は一般にnMレベルであったため,この報告を受けてμMレベルのNO濃度まで対応できるよう実験系を変更した。[北村] 5.食餌誘発の2型糖尿病モデルマウスにおいて,海馬依存性が高い瞬目反射条件付けトレース課題の学習が有意に傷害されることを明らかにした。また,このモデルマウスの海馬において,カンナビノイド受容体の発現量増加を確認した。[窪田] 6.野生型マウスC57BL/6Jの聴性脳幹反応(ABR)の経時的変化を調べたところ,低周波数(1kHz)の音刺激を用いた場合,9〜50週令ではほとんど閾値に差はなく,60週令以上では閾値が上昇していた。高周波数(10kHz)の場合でも,加齢に伴い徐々に閾値が上昇していた。[桐野,北村]
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