研究課題/領域番号 |
17209003
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻本 豪三 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80172013)
|
研究分担者 |
平澤 明 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70242633)
輿水 崇鏡 京都大学, 薬学研究科, 講師 (20392491)
奥野 恭史 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20283666)
足達 哲也 京都大学, 薬学研究科, 特任助手(COE) (60345014)
|
キーワード | 遊離脂肪酸 / G蛋白質共役型受容体 / GPR120 / GPR40 / 抗体 / カルシウムシグナル / ERK / ノックアウトマウス |
研究概要 |
申請者らはゲノム情報よりオーファンG蛋白質共役型受容体GPR120を抽出、クローニングし、更にその天然リガンドが遊離脂肪酸であることを近年発見した。本研究では、GPR120を含む近年見出された遊離脂肪酸を天然リガンドとする一群の受容体群(GPR40,GPR41,GPR43)について、生理機能の包括的理解を目的として、ゲノムデータベース(ヒト、マウス、ラット)を最大限活用しIn Silicoクローニングを行い、特異的抗体作成、RT-PCRにより詳細な組織発現解析情報を収集した。また、高効率の細胞内情報伝達解析プラットフォームを用いて各種化合物をスクリーニングし、一部の受容体に特異的な天然物を見出した。更に、各受容体のマウスゲノムをクローニングし、その構造を決定するとともに、遺伝子改変動物(特にノックアウトマウス)作出を試み、一部の受容体でその作出に成功した。これら2年間の一連の研究成果として、GPR120に関しては天然発現細胞株STC-1細胞を用いてin vitro機能解析を行い、その受容体機構がインスリン分泌調節の重要な因子であるインクレチンホルモンGLP-1分泌機構に極めて重要な機能を有する事を明らかにした。また、その細胞内情報伝達機構にはカルシウムシグナル伝達機構とERKリン酸化カスケードが関与し、特に腸管内分泌細胞においてはこのGPR120受容体情報伝達が細胞死阻害機構に働いていることを明かとした。また、他の遊離脂肪酸受容体に関しても、更なる研究のための各種リソース(抗体、特異的化合物プローブ、遺伝子改変動物等)の整備が完了した。今後はその基盤に基づく更なるこれら遊離脂肪酸受容体群の生理、病態における役割とまた創薬への展開が期待できる。
|