研究概要 |
7TMGPCRを標的とする創薬基盤の革新を目的として、受容体とリガンドの相互作用様式およびシグナル伝達動的超分子機構の解明の基礎研究を実施した。 1 7TMGPCRの精密有機合成研究:7TMGPCRに分類されるCXCR4の脂質二重膜を反応場としてCysteine-ligation法を活用することにより3種類の2回膜貫通ペプチド、1種類の位階膜貫通ペプチドをを用いて構築しCXCR4の約半分のペプチド鎖を効率よく構築できることを明らかにした。一方、光感受性アミノ保護基(4-dimethylaminophenacyl基)の開発に成功して複数膜貫通型膜ペプチドの構築に必要な方法論を確立した。さらに、Intein-splicing systemを参考にして、Fmoc型固相合成に応用可能な新規tihoester合成法を開発した。 2 7TMGPCR(CXCR4)のシグナル伝達機構および機能研究:Bioluminescece Resonance Energy Transfer(BRET)の手法を用いて、CXCR4がリガンド無しでhomodimer形成することおよび各種リガンド(agonist, inverse agonist, partial agonist)を作用させた際におこるhomodimer間の特徴的相互作用を追跡できることを明らかにした。また、癌転移との重要な関与が指摘されているCXCR4とGPR54を共発現させたCHO細胞を用いてCXCR4-agonistによる癌転移シグナルをGPR-54 agonistで抑制できることを明らかにした。 3 CXCR4-antagonistの低分子化、非ペプチド化研究:環状ペンタペプチド型高活性CXCR4 antagonistをリード化合物としてさらなる低分子化、非ペプチド化研究を実施し、一連の低分子誘導体を見いだした。
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