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2006 年度 実績報告書

マラリア原虫のステージ特異的宿主細胞感染機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17209014
研究機関三重大学

研究代表者

鎮西 康雄  三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60024709)

研究分担者 油田 正夫  三重大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90293779)
キーワードマラリア原虫 / オオキネート / スポロゾイト / 感染機構 / ネズミマラリア / ハマダラカ / クッパー細胞 / 肝臓感染
研究概要

オオキネートと唾液腺から調整したスポロゾイトのEST解析を行い、データベースを構築し、両者で発現される遺伝子の大部分を網羅的に解析してきた。今年度の研究により機能が同定できたCelTOS (cell traversal protein of ookinete and sporozoite)について報告する。CelTOS cDNAを用いて発現し、抗体を作製した。抗体によるWestern Blotを行ってCelTOSを検出したところ、中腸内のオオキネートと唾液腺に入った後のスポロゾイトの両ステージ特異的に発現することが判った。同じ抗体を用いて、免疫電顕を行って細胞内での分布を検討した結果、CelTOSはミクロネームという分泌オルガネラに局在することが判明した。
CelTOSの遺伝子をノックアウトした原虫を作製した。このCelTOSノックアウト原虫(KO原虫)の表現形について様々な確度から検討した。KO原虫は、ハマダラカ中腸でのオオシスト形成が約300分の1になっていたが、唾液腺への侵入には影響を与えていなかった。KO原虫を感染した蚊の唾液腺からスポロゾイトを回収し、ネズミへの注射によって感染させたところ、感染効率が野生株原虫に比べて、約50分の1に落ちていた。このKO原虫スポロゾイトを用いin vitro系で培養肝細胞(HepG2)に感染させたところ、感染性に差はなかった。また、HeLa細胞への侵入・通過を調べたところ、500分の1以下になっていた。以上のことから、CelTOSはオオシスト形成と肝臓への感染に重大な機能を持つ分子であることが判ったが、その機構については、中腸細胞への侵入通過と肝細胞へ達する前の、類洞壁内皮細胞あるいはクッパー細胞への接着に関わるのではないかと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] CelTOS, a novel malarial protein that mediates transmission to mosquito and vertebrate hosts.2006

    • 著者名/発表者名
      Tohru Kariu, Tomoko Ishino, Kazuhiko Yano, Yasuo Chinzei, Masao Yuda
    • 雑誌名

      Molecular Microbiol 59

      ページ: 1369-1379

  • [雑誌論文] Identification and characterization of a collagen-induced platelet aggregation inhibitor, triplatin, from salivary glands of the assassin bug, Triatoma infestans2006

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Morita, Haruhiko Isawa, Yuki Orito, Shiroh Iwanaga, Yasuo Chinzei, Masao Yuda
    • 雑誌名

      FEBS J. 273

      ページ: 2955-2962

  • [雑誌論文] A calcium-dependent protein kinase regulates Plasmodium ookinete access to the midgut epithelial cell2006

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Ishino, Yuki Orito, Yasuo Chinzei, Masao Yuda
    • 雑誌名

      Molecular Microbiol. 59

      ページ: 1175-1184

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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