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2006 年度 実績報告書

免疫系・血液系細胞の発生における細胞動態とその制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17209019
研究機関京都大学

研究代表者

長澤 丘司  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80281690)

キーワードケモカイン / 骨髄 / ニッチ / 造血幹細胞 / Bリンパ球
研究概要

私たちは、以前、ケモカインCXCL12(SDF-1/PBSF)とその受容体CXCR4がBリンパ球の生成、発生過程における血球のホーミングに必須であることを明らかにした。また、最近、骨髄内でCXCL12を必要とする最も早期のBリンパ球前駆細胞や形質細胞に加え、多能性前駆細胞がCXCL12高発現細胞と特異的に接着していることを見出した。本研究では、免疫系・血液系細胞の前駆細胞の発生を支持する細胞動態とその制御機構の全貌を明らかにすることを目的に、CXCL12およびCXCL12高発現細胞の機能、作用機構を解析する。本年度は以下のような成果が得られた。
1.CXCL12およびCXCR4欠損マウスは、胎生致死であるので、成体骨髄におけるCXCL12-CXCR4シグナルの機能を明らかにするため、インターフェロン反応性プロモーターの制御下でCre遺伝子を発現し、pIpC投与により成体でCXCR4遺伝子を欠損するマウスを作製し解析した。その結果、骨髄のBリンパ球前駆細胞、Bリンパ球の細胞数は著減し、骨髄球系細胞や、赤血球系細胞数は少し減少するにとどまっていた。興味深いことに大部分が静止期にある造血幹細胞分画の細胞数は著減しており、造血幹細胞に特異的に発現し必須の役割を果たすvegfやjunB遺伝子の未分化な造血幹細胞分画における発現が低下していた。これより、成体骨髄においてCXCL12-CXCR4シグナルは、静止期の造血幹細胞の維持、Bリンパ球の産生に必須であることが明らかとなり、CXCL12は、造血幹細胞の維持に必須であることが証明された最初の骨髄微小環境が産生するサイトカインとなった。
2.ジフテリア毒素受容体システムによる細胞欠損誘導法を用いてCXCL12高発現細胞を欠損させ、その機能を解析するため、遺伝子改変ES細胞の作製を完了し、胚盤胞に注入した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Maintenance of the hematopoietic stem cell pool by CXCL12-CXCR4 chemokine signaling in bone marrow stromal cell niches.2006

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama, T.
    • 雑誌名

      Immunity 25・6

      ページ: 977-988

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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