研究課題
基盤研究(A)
小児肥満は2型糖尿病などの生活習慣病と極めて密接に関連し、動脈硬化のリスクを高めている。本研究では、埼玉県伊奈町小児生活習慣病予防検診に参加した小学4年生(小4)および中学1年生(中1)全員を対象に、質問票調査及び生活習慣病関連指標となる血液検査を施行し、小児におけるハイリスク肥満の頻度と病態を明らかにした。また、「いないちばん健康プラン」を推進し、効果的な生活習慣介入を本人および家族に行った。本人と家族から文書による同意を得て施行した。研究期間内の全対象者数は小4:1,222名、中1:1,046名で、本研究の参加率は3年間とも母集団の99%以上であった。平成17年度の小4および中1における性・年齢・身長別標準体重120%以上の肥満児の有病率は11.2%および12.9%で、経年的に減少する傾向を認めた。高血圧、脂質異常症、糖代謝異常のいずれかを保有する児は30.7%で、3年間に有所見者数に大きな推移は認めなかった。小4および中1におけるメタボリックシンドローム(MetS)の有病率はそれぞれ1.1%および2.3%で、MetS(+)ではMetS(-)と比較して血中レプチン値、高感度CRP値が有意に高く、アディポネクチン値が有意に低下しており、特に中1では代謝異常の病態が小4より悪かった。また、腹囲とBMIの相関が高いことから、小児MetS診断基準の腹囲80cmという一律のカットオフ値の見直しが必要と思われた。小4時の非肥満が3年後に肥満に移行する予測因子は、レプチン、インスリン、TC高値であった(追跡率89%)。伊奈町では、教育委員会、学校医、養護教諭、学校栄養士などをメンバーとした推進協議会を設置し、「いないちばん健康つうしん」の定期的な発行、小児生活習慣病予防検診の結果の通知と、有所見のレベルに従った家族に対する支援等が行われてきた。本研究ではこれらの事業の推進に寄与した。
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