研究課題
基盤研究(A)
本研究ではヒト胚性幹細胞(ES細胞)およびコモンマーモセットサルES細胞を用いて、効率的な心筋細胞の分化誘導法、心筋細胞と残存する未分化な幹細胞を分離する方法、効率的な再生心筋移植法の開発を行った。心筋細胞の誘導法ではES細胞から前方中胚葉への誘導物質としてnogginを同定した(Nature Biotech,2005)。また、前方中胚葉から心筋細胞に分化誘導する因子(X因子)を同定し、投稿中である。さらに分化早期の心筋細胞に強く発現する因子の受容体(Y受容体)を同定し、この受容体のリガンド(Y因子)を作用させることにより、心筋細胞に細胞分裂を惹起する受容体を同定した。このY因子を妊娠マウスの子宮に投与すると心筋細胞数が増加することを見出した。これらの因子を組み合わせることで、サルおよびヒトES細胞を強力に心筋細胞に誘導することに成功した。また、再生心筋細胞と未分化幹細胞を分離する方法としてミトコンドリア法を開発した。心筋細胞は他の細胞に比して圧倒的にミトコンドリア含量が多く、ミトコンドリアに選択的に取り込まれる色素を利用することにより、純度99.9%で心筋細胞を単離することに成功した。この方法で採集した心筋細胞を移植しても奇形腫の形成は認められなかった。再生心筋細胞を効率的に移植する方法として凝集法を開発した。この方法は移植した細胞の生着率を90%以上に増加させることが出来、免疫不全マウス、サルへの移植も成功した。
すべて 2008 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
Biophys Biochem Res Comm. 369
ページ: 801-806
Nature Medicine 12
ページ: 1151-1159
Nat Med 12
edited by Leri A, Anversa P, Frishman WH. Blackwell Publishing. Oxford, UK.
ページ: 37-45
Nature Biotechnology 23
ページ: 607-611