研究課題
従来のHEK細胞の他にCAGリピートを含むCACNA1A断片を発現するテトラサイクリン誘導性PC12細胞を用いて、変異タンパクの細胞内動態とそれに伴う細胞内変化を明らかにすることを試みた。CACNA1A断片のN未とC末をそれぞれHAとMycにより標識しウエスタンブロットと免疫染色にて検索したところ、リピート数の長い方で変異蛋白の凝集体が形成されやすいことを確認した。一部はポリユビキチンを認識する抗体で染色されユビキチン・プロテアソーム系の関与が示唆された。異常伸長CAGリピートとその周辺の配列をマウスcacnalaのエクソン47にノックインしたマウスについては、すでに行動解析や神経病理学的検索でも異常を呈することを観察しており、プルキンエ細胞特異的プロモーターであるL7とともに全長の変異ヒトCACNA1Aを過剰発現したトランスジェニク・マウスもほぼ作製できた。前者ではプルキンエ細胞内の特異的封入体の存在が示唆されており、モデルとしての有用性が確認された。全長の変異ヒトCACNA1Aトランスジェニックマウスは繁殖力が弱くまだ十分な観察ができていないがさらに工夫を続ける。SCA6を含む脊髄小脳失調症の根本的治療法の開発のため、siRNAを用いた遺伝子治療の研究を進め、CAGリピートの長さに頼らない新しい方法で変異蛋白のみを抑制することに成功した。関連するRNAiの手法に関してsiRNAトランスジェニックマウスによるその有効性の証明、静脈投与で脳血管内皮へのデリバリーの成功など多数の業績をあげた(業績参照)。
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