研究課題/領域番号 |
17209036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中内 啓光 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40175485)
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研究分担者 |
依馬 秀夫 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員(特任助教授) (50344445)
江藤 浩之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50286986)
紙谷 聡英 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30321904)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 造血幹細胞 / 非対称性分裂 / DNAメチル化 / 自己複製 / コミットメント |
研究概要 |
幹細胞は多分化能と自己複製能を兼ね備えた細胞と定義され、組織や臓器の発生・修復・維持に重要な役割を果たしている。本研究では高度に純化することが可能なマウス造血幹細胞をモデルとして、幹細胞の運命決定の様式を詳細に解析し、その自己複製とコミットメントの分子基盤を明らかにすることを目的とした。さらに、組織幹細胞に共通な制御機構を解明するため、肝幹細胞など他の組織幹細胞における自己複製と分化を解析した。 造血幹細胞の非対称性分裂の解析に用いるシングルセル移植の感度をあげるために、移植後の骨髄細胞をレスキュー細胞として用いる実験系を構築した。娘細胞間で非対称性に分配ないし細胞内分布される分子を探索するため、免疫染色後に蛍光量および細胞内分布を解析するシステムの開発に成功した(Single-cell immunostaining)。この方法を用いて転写因子、DNAメチル化酵素、ポリコーム群タンパクなどについて非対称性分布の有無を解析した。しかしながら、明確に非対称性を示すものは見つからなかった。コンディショナルノックアウトマウスを解析することによって、DNAメチル化酵素であるDnmt3a、Dnmt3bが造血幹細胞の自己複製能維持に必須であることを明らかにした。興味深いことに、これらの酵素は造血幹細胞の各細胞系譜への分化には必要なかった。マウス胎児肝より分離した肝幹細胞の自己複製と分化におけるWnt-TCF/LEFシグナル伝達の役割を解析した。Tcf4のdominant-negative formを肝幹細胞に強制発現させると、タイロシンアミノトランスフェラーゼやトリプトファンオキシゲナーゼなどの成熟肝細胞マーカー遺伝子の発現が抑制された。また、低密度で播種した際のコロニー形成も顕著に減少した。
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