研究課題/領域番号 |
17209038
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
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研究分担者 |
澤村 大輔 弘前大学, 医学部, 講師 (60196334)
清水 忠道 富山大学, 医学部, 教授 (70260396)
秋山 真志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60222551)
芝木 晃彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (40291231)
JAMES McMillan 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 准教授 (30374721)
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キーワード | 免疫学 / 動物 / 細胞・組織 / 内科 / 病理学 |
研究概要 |
本研究の目的は水疱性類天疱瘡(BP)モデルマウスを作成し,XVII型コラーゲン(COLXVII)に対する自己免疫性疾患の発症メカニズムを解明し、新規治療法を開発する事である。BPはCOLXVIIに対する自己抗体により全身に水疱を生じる、最も頻度の高い自己免疫性水疱症である。本研究ではCOLXVIIノックアウトマウス(KOマウス)を用いて疾患を忠実に反映するモデルマウスを作成し、解析を行った。 ヒトCOLXVII Tgマウスより採取した皮膚をC57BL/6マウスの背部に植皮し、血清中の抗ヒトCOLXVII抗体の産生を検討した。植皮による免疫の3週間後から蛍光抗体間接法で1280倍以上の高力価の抗ヒトVII型コラーゲン抗体の産生が確認された。リコンビナントCOLXVIIタンパクを用いたウェスタンブロット法では、180kDの分子量に一致した陽性所見が得られた。間接蛍光抗体法による抗体価の測定では、免疫8週後まで持続的に抗体価の上昇が認められた。免疫をしたC57BL/6マウスから、免疫3〜4週間後に脾細胞を調整し、放射線で前処置したCOLXVIIヒト化マウスの尾静脈から静注、移植した。移植後継時的に血中の抗体価測定したところ、移植後10日目より移植後4週まで高力価の抗ヒトCOLXVII抗体の産生が確認され、眼囲、口囲を主に紅斑、糜爛の形成が認められた。病変を病理組織学的に検討したところ、表皮下水疱の形成と、表皮-真皮境界部、真皮上層への炎症細胞浸潤がみられた。また、採取した皮膚組織を用いた直接蛍光抗体法では、表皮基底膜部にIgGとC3の沈着が確認された。以上の結果より、本研究にて作成されたマウスが、臨床的、病理組織学的にBPの病態を反映したモデルであると考えられた。
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