研究課題/領域番号 |
17209045
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名川 弘一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80228064)
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研究分担者 |
北山 丈二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20251308)
釣田 義一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80345206)
武井 芳樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10372369)
高橋 孝喜 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50171484)
津野 寛和 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50282637)
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キーワード | 樹状細胞 / 内皮細胞 / ワクチン / Surforaphane / 血管内皮前駆細胞 |
研究概要 |
1.樹状細胞(DC)は非常に強力な抗原提示細胞(APC)であり、がん免疫の中心的な役割を果たしている。Balb/cマウスのsplenocytesをGM-CSFで培養後、MACSにて11c+の細胞を回収してDCを作成した。このDCに、ヒト臍帯由来血管内皮細胞(HIVEC)、マウス類洞内皮細胞(HSE),マウス線維芽細胞(3T3)の膜抗原をパルスしたワクチンを作製し、皮下に3回投与後、大腸癌(colon 26)による皮下腫瘍モデル、尾静注による肺転移モデルにて、腫瘍増殖抑制効果を検討すると、両方にて、HUVEC-DC/HSE-DCの血管内皮細胞をパルスした2群が、他群に比べて40-50%と有意に強い腫瘍抑制作用を有していた。また、HUVEC-DC/HSE-DCの2群は、colon26ではなく、内皮細胞に対する特異的な細胞障害活性を有意に認めた。腫瘍血管内皮細胞をターゲットとした樹状細胞投与のin vivoでの有用性が示唆された。 2.近年、緑色野菜に多く含まれるisothyanateの一種Surforaphaneの抗癌作用が注目されている。このSurforaphaneの血管新生に及ぼす作用をヒト臍帯由来血管内皮細胞(HIVEC)を用いてin vitroにて検討すると、増殖を弱く抑制し、マトリックス分解酵素の産生、コラーゲンゲル内での管状構造構築能を強く抑制した。Surforaphaneは、腫瘍の血管新生を抑制することによって抗腫瘍効果を発揮する可能性が示唆された。 3.血管内皮前駆細胞(EPC)は骨髄で作られ、腫瘍血管新生に重要な役割を果たす。ヒト末梢血より、このEPCを分離培養しその作用をIn Vitroにて検討すると、腫瘍抗原を提示し腫瘍免疫を誘導する機能をも有している事が判明した。腫瘍局所でのEPCの機能制御が癌の進展に重要であることが示唆された。
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