研究分担者 |
磯山 隆 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20302789)
小野 稔 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40270871)
斎藤 逸郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教員(特任助教) (80334225)
三浦 英和 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教員(特任助教) (50451894)
鎮西 恒雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教員(特任助教) (20197643)
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研究概要 |
本研究は,小型高性能な体内埋込式完全人工心臓開発のための基礎研究として,波動ポンプを用いて研究開発中の拍動流の体内埋込式完全人工心臓(波動型完全人工心臓)を基にして無拍動流の波動型完全人工心臓を開発し,波動型完全人工心臓を装着した動物(成獣ヤギ)を長期生存させ,拍動流と無拍動流を比較解析することにより,無拍動流の体内埋込式完全人工心臓に特有の病態生理を解明するとともに,両者に生理的制御法(1/R制御)を適用し,無拍動流における生理的制御の可能性や限界を明らかにすることを目的とする。今年度は,より長期の動物実験を遂行するために,プロダクドデザイナーの提案を基にした新しい波動型完全人工心臓の設計,高耐久性の新しい血液ポンプの開発,センサーレス駆動系(センサーレスモーター駆動回路および駆動プログラム)の開発,埋込型圧センサーの開発,および拍動流と無拍動流の末梢循環を比較検討するための微小循環および血管新生観察プローブの開発を行った。動物実験では,拍動流と無拍動流が切り替え可能な波動型完全人工心臓4次モデルを7頭のヤギへ埋め込み,開発したセンサーレス駆動系を用いて実験を行ったところ,波動型完全人工心臓のセンサーレス駆動には成功したが,1/R制御が不安定であった。これは,1/R制御と左右心バランス制御とが時々バッティングすることに起因することがわかり,1/R制御を優先させ,かつ左右心バランス制御を両心で行うことにより解決した。しかし,ヤギによっては制御が振動し発散傾向を示した。これは,生体側の制御時定数と人工心臓の制御スピードが乖離していることに起因することが分かり,人工心臓の制御スピードを左右心で独立に設定することにより改善した。また,開発した埋込型圧センサーは左心バイパスヤギを用いて自動校正方法の研究を行い,インフローのダイナミック波形から自動校正する方法を提案した。
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