研究課題/領域番号 |
17209050
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
池川 志郎 独立行政法人理化学研究所, 変形性関節症関連遺伝子研究チーム, チームリーダー (30272496)
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研究分担者 |
稲葉 郁代 独立行政法人理化学研究所, 変形性関節症関連遺伝子研究チーム, リサーチアソシエイト (60415081)
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キーワード | 椎間板変性症 / 椎間板ヘルニア / 分子病態 / 相関解析 / ゲノム / 疾患感受性遺伝子 / SNP / 遺伝子多型 |
研究概要 |
脊椎外科の専門医と協力して、腰椎椎間板ヘルニア患者の検体890のサンプルを収集した。これらについて、疾患の臨床的、X線学的表現型を分析し、疾患関連因子に関する臨床データのデータ・ベース化を行なった。収集した検体を整理、保存、管理し、実験室での分子遺伝学的、分子生物学的実験が可能な状態にした。このサンプルを用いて、知識発見システムに基づき決定された候補遺伝子に対する患者-対照相関解析を行なった。計20遺伝子を段階スクリーニングにて調べた所、CILP(cartilage intermediate layer protein)遺伝子に有意な相関を認めた。 CILPは軟骨特異的な細胞外基質タンパクをコードする。1)CILP遺伝子はヒトの組織の中でも椎間板に著しく強く発現し、2)椎間板ヘルニア患者では、椎間板の変性の重症度に伴い上昇傾向を示すこと、3)CILPタンパクは、椎間板ヘルニアの患者の椎間板の変性の強い部分に、特にたくさん発現することを明らかにした。CILPのミスセンス多型IIe395Thrが椎間板ヘルニアと最も強く相関した。CILPにもTGF-_と結合すると推定されるアミノ酸配列があったので、CILPとTGF-_の結合を調べてみると、両者は特異的に結合し、その結合力はThr395を持つCILPでより強いことがわかった。 ウサギの椎間板軟骨細胞でCILPタンパクの作用をみてみると、CILPはTGF(transforming growth factor)-_シグナルを抑制し、TGF-_による軟骨分化のマーカー遺伝子の発現を顕著に低下させた。Thr395を持つCILPは、より強いTGF-_の抑制作用を示した。この型のCILPではTGF-_の抑制作用が強すぎるために、十分にTGF-_が働けないので、椎間板の変性を起こし易くなると推定された。
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