研究課題
骨・関節の代表的common diseaseである椎間板変性症/腰椎椎間板ヘルニアの原因遺伝子(疾患感受性遺伝子)の同定、及び椎間板ヘルニアの発症機構、病態の分子レベルでの解明の為に同定した原因遺伝子、疾患感受性多型の機能解析を行なった。その結果、以下の成果を得た。1.Case-control相関解析により、椎間板変性症の原因遺伝子、CILP(cartilage intermediate layer protein)を同定した(Seki et al. Nature Genet,2005)。機能的証明がなされた椎間板変性症の原因遺伝子としては、世界で初めての報告である。更にCILPは成長因子のTGF-βと結合し、その椎間板軟骨の増殖・分化作用を抑制する事を発見した。これらの成果に基づき、特許(特願2005-039908)を出願した。更に、分子生物学的解析により、CILP遺伝子の転写調節機構を明らかにした(Mori et al. Biochem Biophys Res Commun,2006)2.既報の椎間板変性症の原因遺伝子COL9A2、COL9AA3(IX型コラーゲンのα2(IX)、α3(IX)鎖をそれぞれコードする)の相関解析を行い、日本人では欧米人とは異なった疾患感受性多型が存在する可能性があることを発見した(Seki et al. J Hum Genet,2006)。過去に報告されているMMP3、VDR、AGC1等の遺伝子は、日本人では相関がないことを確認した。3.腰椎椎間板ヘルニアとXI型コラーゲン遺伝子との相関を発見した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
Hum Genet 119・6
ページ: 611-616
Biochemical and Biophysical Research Communications 341・1
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