研究課題/領域番号 |
17209055
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124958)
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研究分担者 |
久保田 哲朗 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00118944)
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70190197)
池田 均 独協医科大学, 医学部, 教授 (10326928)
太田 茂 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40127014)
細井 創 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (20238744)
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キーワード | 横紋筋肉腫 / 中央病理診断 / PAX3-FKHR / PAX7-FKHR / VOD / VAC |
研究概要 |
今年度は日本横紋筋肉腫研究グループ(JRSG)による臨床試験を開始して4年目に相当し、3月末日までの一次登録数は117例、このうち臨床試験に登録された症例は84例であった。各リスクグループについてすべての試験で当初予定された登録症例には達せず、このため中間解析に至っていない。この点について効果・安全性評価委員会の審査を受け、登録手順の改善を含む登録症例数の増加対策について指示を受けた。これに基づいて各主任研究者より対応策が提出され、高リスク群では間もなく中間解析に達する見込みのため、その結果により試験継続を検討すること、中間リスク群では中間解析の時点で症例登録を終了すること、また低リスク群では試験期間の延長が決定された。二次登録に至らない症例が多い理由としては、登録前治療がすでに行われていること、検査成績が基準値外であること、また中央病理診断によりリスク分類が変更されたことなどが主たる理由となっているが、施設倫理委員会の承認を受けていないものもみられた。中央病理診断はPAX3,7-FKHRキメラ遺伝子の検索結果を含めておこなわれているが、胞巣型腫瘍におけるこれらキメラ遺伝子の検出率は極めて高い。施設病理診断と中央病理診断の乖離は15%程度にのぼり、小児固形腫瘍の専門病理医が不足している現状が明らかになっている。今年度はすべての試験においてVODの発生はなく、また重篤な有害事象も報告されていない。治療に関するコンサルテーションも行われているが、とくに外科治療の在り方に対してはガイドライン設定後、一定の基準により対応が行われている。本研究の付随研究として19年度は新たに蛍光二次元電気泳動法(2D-DIGE)による網羅的タンパク質発現解析(プロテオーム解析)を用いて、横紋筋肉腫のタンパク質発現の特徴を明らかにするために、横紋筋肉腫臨床サンプルの提供についてJRSG研究審査委員会に附随研究の申請が行なわれ承諾が得られた。
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