研究課題/領域番号 |
17209055
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124958)
|
研究分担者 |
久保田 哲朗 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00118944)
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70190197)
池田 均 独協医科大学, 医学部, 教授 (10326928)
太田 茂 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40127014)
細井 創 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20238744)
|
キーワード | 横紋筋肉腫 / 小児 / 臨床試験 / 中央病理診断 / 胎児型横紋筋肉腫 / 胞巣型横紋筋肉腫 / PAX-GKHR / PAX7-FKHR |
研究概要 |
試験開始後現在まで低リスク群A12例、低リスク群B14例、中間リスク群43例、高リスク群36例が登録された。中間リスク試験は中間解析に必要な症例数に達しているため、2008年11月で登録を終了し、高リスク群試験は予定通り試験を終了した。これまで安全性、有効性の検討から試験中止に至る事象は認められていない。試験参加に必要な施設倫理委員会への申請、承認状況は中間リスク群試験については88/167,高リスク群試験については56/72施設の承認であった。高リスク群は平成19年末時点で登録数が27例と症例集積が遅れているため、効果安全性評価委員会に諮問し、試験期間の延長を決定した。集積の遅れのおもな原因は治療に緊急性を要し病理診断の確定を待てなかったり、骨髄転移のため適格規準を満たせなかったりと、当初予想した以上に重篤な症例が多いことであった。今後は希少疾患に対する臨床試験の適格規準の決定には工夫を要する。大量化学療法に用いるチオテパとメルファランの薬理動態の検討を行った。その結果、主たる有害事象である粘膜障害の程度とチオテパのAUC,Cmaxに正の相関がみられ、粘膜障害はおもにチオテパによるものと考えられた。中央病理診断はこれまで141検体について行われ、20例が非横紋筋肉腫であることが明らかとなった。施設病理診断と中央病理診断の不一致は25/141(18%)に認められた。中央病理診断により胎児型と診断された組織ではキメラ遺伝子の検出は認められなかった。胞巣型腫瘍では27例にPAX3-FKHRが検出され、またPAX7-FKHRは6例に検出された。これらキメラ遺伝子の検出率は82.5%にのぼり、米国IRSにおける成績(78%)を上回っていた。
|