研究課題
1.人工コラーゲンを足場とする脊髄損傷治療法の開発これまで神経幹細胞の集合体であるニューロスフェアを細胞死抑制作用を持つペプチド、TNFRPを含むアルギン酸上で培養すると多数の軸索が伸長し、神経への分化が促進されることが報告された。ラットの脊髄を半切断しTNFRPを含むアルギンを担体にニューロスフェアを移植し、3週間後と4週間後に観察を行った。移植されたニューロスフェアはひし型に分化したように存在していた。また人工コラーゲンを担体にニューロスフェアを脊髄損傷部に移植した。これまで人工コラーゲンを脊髄損傷に用いるとアルギン酸と比べ神経の伸長がよくなかったことから、人工コラーゲンにTNFRPを添加し改良されたものを用いた。妊娠16日目ラット胎児の海馬より細胞を採取しB27supplementとbFGFを含むDMEM/F12培地で培養しニューロスフェアを形成させた。1週間毎に継代し採取3週間後にPKH67で染色し、人工コラーゲンゲルに混ぜラット脊髄損傷部に移植、7日後脊髄を取り出し蛍光観察した。アルギン酸の時よりニューロスフェアの直径が小さく分化はなかったが今後ペプチドの濃度を変えて検討する予定。2.新規ペプチドを含むヘパリン結合アルギン酸ゲルによる末梢神経の再生bFGFはヘパリン結合性の神経成長因子であるが、bFGFを含むヘパリン共有結合アルギン酸ゲルを末梢神経の切断部に移植すると神経の再生を促進することが確認された。次に新規bFGFペプチドを開発し、ヘパリン共有結合アルギン酸ゲルに含ませたもので末梢神経の再生を試みた。ラット坐骨神経に10mmのギャップを作り、新規bFGFペプチド+ヘパリン共有結合アルギン酸、およびbFGFペプチド+ヘパリン共有結合アルギン酸、ヘパリン共有結合アルギン酸をそれぞれ移植した。1ヶ月後、2ヵ月後に組織を取り出し観察した。
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Journal of Biomedical Materials Research. Part A. 77A
ページ: 700
Encyclopedic Reference in Neuroscience (Eds.MD Binder, N Hirokawa, U Windhorst)Springer-Verlag. (in press)
Journal of Biomedical Materials Research. Part A (in press)