研究分担者 |
田川 陽一 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (70262079)
完山 学 医学部, 歯学部附属病院, 講師 (90294420)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
辻 孝 東京理科大学, 大学院・基礎工学研究科生物工学専攻, 教授 (50339131)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
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研究概要 |
本研究課題は,歯の発生の鍵となるマスターキー遺伝子を同定することを目的としている.平成19年度は,平成18年度に引き続き,胎生期マウス口腔領域における組織学的網羅的解析を行った.また,研究分担者として,あらたに東京理科大学辻教授と,岡山大学園山を迎え,歯の発生・再生に関連した細胞の分離とin vitroでの再構成技術を応用した歯の再生へ向けての基礎的検討を始めた.それぞれの具体的成果を以下に記す. 1,歯胚誘導マスターキー遺伝子の検索 平成18年度はマウス11.5日胚の上顎隆起および下顎隆起に発現の見られる166個の因子を抽出した。平成19年度は13.5日胚と14.5日胚の組織切片を作製し,この166個の因子の発生期歯胚における発現をin situハイブリダイゼーション法で確認した. その結果,これまで歯胚において発現の報告のない32個の因子の発現を認めた.これら新規同定因子については,その機能解析を進めていく予定にしている.具体的には,歯胚発生に関与する遺伝子のKO動物を用いたフェノタイプの解析,あるいは歯胚の組織培養系でのビーズを用いたタンパクの添加(抑制)実験によるフェノタイプ解析を計画し,準備を進めている. 2,ヒト歯胚細胞の分離と上皮間葉相互作用の再現 歯胚の再生に応用しうる細胞の検索を行った.平成19年度は,倫理委員会の許可を得てヒト歯冠形成期歯小嚢組織の提供を受けた.本組織からはこれまでに詳細には検討されていない,歯小嚢間葉系細胞を分離するとともに,上皮細胞を分離し,その性格を解析した. この歯小嚢上皮細胞は,エナメル芽細胞マーカーであるアメロゲニンを発現する細胞であった.また,この上皮細胞と,間葉細胞を共培養することにより,それぞれの細胞の遺伝子発現が変化することを確認した.すなわち,部分的にではあるが,in vitroでヒト歯関連細胞の上皮間葉相互作用を再現できるモデルが確立できた.
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