研究課題
1・看護師のコンビテンシーとキャリア発達について、後述する今年度の結果を含め、これまでに得られた知見を統合して体系的整理を試みた。得られた知識体系は、看護職の教育やキャリア発達支援、人材資産形成において概念的基盤を与えるという意義がある。今年度は、優れた看護チームを病棟単位で測定する方法を検討し、チームとしての心理・社会的状態と機能を表す項目を抽出した。文献検討と看護管理者の討議により、看護管理者に必要なコンビテンシー6領域25項目を同定し、定義と評価水準を定め、看護師長、副看護師長を対象に調査した。またキャリア発達について異なった視点から検討するため、中国の6施設約2.000人を調査し、日中間の比較分析を行っている。さらに、患者・市民が看護師に期待する役割・機能に関する知見のうち、より明確化が必要な領域として、安全と安心の確保に関連した専門性を取り上げ、その内容を整理した。2.場・役割・局面別に必要なコンピテンシーについては以下の通りである。成人先天性心疾患診療に携わる看護師ノコンピテンシー向上に資するため、全国の専門施設からランダムに選ばれた施設の病棟・外来に働く看護師6名に対し半構造化面接をした。前年度に市町村保健師を中心に開発した保健師のコンピテンシーの枠組みの妥当性と汎用性を、県の保健師6名の活動をヒアリングした記述をもとに検証した。経営環境変化時に看護管理者で、変化後も勤務を継続した4名に、変化時の経験について半構造化面接を実施し、質的に内容分析を行い、否定的な影響を受けながらも、リーダー役割を自覚し、新しい環境に適応する過程を明らかにした。前年度までに明らかにしたWOCNが褥瘡管理体制を組織化する上で発揮するコンビテンシーをもとに調整力自己評価尺度を生成し、WOCN50名を対象にした自記式調査を通して項目を精選し、信頼性、妥当性の高い尺度を作成した。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件)
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