研究課題/領域番号 |
17209070
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部/看護学研究科, 教授 (50288065)
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研究分担者 |
遠藤 公久 日本赤十字看護大学, 准教授
吉田 みつ子 日本赤十字看護大学, 准教授
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連携研究者 |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教授
奥原 秀盛 静岡県立大学, 准教授
福井 里美 前山梨大学, 講師
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研究協力者 |
樋口 佳栄 日本赤十字看護大学, 助教
斎藤 梓 日本赤十字看護大学, 助手
鈴木 治子 日本赤十字看護大学, 助手
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研究期間 (年度) |
2005 – 2008
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キーワード | がん / サポート / 地域拠点 / 包括的 / プログラム / 評価 |
研究概要 |
がんサポート・プログラムの検討の第一段階としてまず一般市民を対象にした調査を行った。その結果、がん検診の受診行動には経済的格差が関係し、「ソーシャルサポート」、「セルフエフィカシー」、「がん恐怖」が受診行動に影響することが明らかとなった。予防行動を促進するには、がんへの恐怖を軽減し、セルフエフィカシーを高めるための対応が重要であることが示唆された。また、国内のサポート組織の実態を調査した結果からは、サポート組織の分布には地域格差があり、患者会などは人的経済的基盤など運営上の課題を多く抱えていることが明らかになった。看護師を対象としたケア・ニーズ調査では、治療依存度の高い患者やソーシャルサポートの乏しい患者が増えており、サポート・ニーズを抱えたまま退院する患者が多いこと、特に高齢者はがんに加え慢性疾患などの重複疾患を抱え、また疾病の重複が介護や家族の健康問題を引き起こすなど負の連鎖を起こしていることが明らかとなった。一方で外来看護は治療や処置に関する業務に集約され、ケアを提供する場や機会が減少しており継続看護における課題が深刻化していた。退院後の患者・家族へのサポート体制を検討するために、英国・アイルランドのサポート組織の調査を行ったが、政府の補助金や寄付金で運営されるがんサポート・センターが地域に存在し、身近に相談支援やセミナー、マッサージなどのプログラムを受けられる体制が整いつつあった。そこで、国内でのサポート活動の可能性を探るために複合的プログラム「がんサポート・ルーム」を構築し、1年間運用しその評価を行った。研究協力者は40名であった。QOL指標であるFACIT-SPの情緒的側面とスピリチュアルな側面で有意な変化が認められた。アンケート結果から参加者の約7割程度は満足しており、インタビューからは「出かける場ができた」、「専門職者や仲間がいることでの安心感」、「自信の取り戻し」や「リラクセーションに繋がった」という結果が得られた。本プログラムが参加者にとって、療養生活を支え社会復帰の支援をする場として意義をもつことが明らかとなった。またこのようなプログラムは治療の初期段階から終末期に至るまでの幅広い緩和ケアとしての意義を持つ可能性も示唆された。
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