研究課題/領域番号 |
17251001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水野 一晴 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (10293929)
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研究分担者 |
沖津 進 千葉大学, 園芸学部, 教授 (70169209)
山縣 耕太郎 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80239855)
森島 済 江戸川大学, 社会学部, 助教授 (10239650)
吉田 浩之 慶應義塾大学, 総合政策学部, 講師 (10317307)
高田 明 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助手 (70378826)
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キーワード | 半乾燥地 / 環境変化 / 植生遷移 / 人間活動 / 砂漠化 / 気候変動 / ナミビア / 社会変化 |
研究概要 |
本研究では、南部アフリカにおける近年の自然環境システムと人間活動の不安定な相互関係を諸分野から多面的に解明し、今後の両者のあり方について提示することを目的としている。平成17年度には以下のような調査・研究を行った。1)ナミブ砂漠クイセブ川中流域において、現成河川氾濫原の堆積物に関する調査を行った。最近数十年において氾濫原は堆積傾向にあり、それが河畔林植生にも関係していることが予想される。 2)ナミビア北西部カオコランドにおいて、過放牧による植生の衰退状況を調査した。植生の衰退程度に地形条件、および表層地質条件が影響をおよぼしていることが推定された。 3)クイゼブ川流域に分布する2種のAcacia属樹木、A.albidaとA.eriolobaの樹形を比較調査した。A.albidaは樹高に対する樹冠の広がりが狭く、樹高成長を優先させる樹形を示した。A.eriolobaは、逆に、樹高に対する樹冠の広がりが広く、横長の樹形を示した。前者はより湿潤な立地でいち早い光の獲得、後者はより乾燥した立地で根圏の広がりを優先した結果と考えられる。 4)ナミブ砂漠のクイセブ川流域とカオコランドのホアルシブ川流域の河畔林の成立について調査した。両流域の河畔林とも数百年前に成立したもので、近年の天然更新が進んでいないことが判明した。ホアルシブ川流域では近年、砂漠ゾウによる観光業が発達し、住民はそれに依存した生活を送っているため、近年の植生遷移や環境変動は将来、住民に大きな影響を与えることが予想される。 4)レソト王国のモホトロング周辺において、自然環境と土地利用・住民生活との関係について調査した。2600mの高度に多くの住居が立地していたが、それは谷に発生する冷気湖の上限、水が得やすい地形の傾斜変換点、牧畜と農耕の境界線が、それぞれ約2600mにあることと関係していることが推定された。
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