研究課題/領域番号 |
17251002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市川 光雄 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50115789)
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研究分担者 |
木村 大治 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (40242573)
山越 言 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (00314253)
山極 寿一 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (60166600)
末原 達郎 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00179102)
北西 功一 山口大学, 教育学部, 助教授 (80304468)
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キーワード | 熱帯雨林 / 野生動物 / 自然保護 / 保全的利用 / 狩猟採集 / 住民参加 / カメルーン / ギニア |
研究概要 |
熱帯アフリカにおいては近年、森林伐採や道路網の整備、消費経済の浸透等によって獣肉の商業化が進み、獣肉に対する需要が急増している。このままでは森林性哺乳類全般の極端な減少、すなわち「森林の空洞化」を招きかねないとして、自然保護団体や現地政府によって住民の狩猟活動が厳しく制限されようとしている。本研究ではこのような状況において、地域の動物相の保全的利用の体制を確立する道を検討するための基礎調査をおこなった。 (1)カメルーン国東部州のブンバーベク国立公園予定地区の周辺において、地域社会における野生獣肉の利用とその変化に関する調査を行い野生獣肉交易が近年急速に盛んになったことを明らかにした。また、カメルーン国立文書館及びこの地域に関する豊富な研究資料を蓄積するフランス海外文書館等において関連資料の収集と整理を行った。 (2)野生獣肉取引の拡大の経緯とその社会、経済的背景を把握するため、研究分担者2名をカメルーンに派遣し、海外共同研究者の協力を得て、国家及び地域レベルにおける経済状況の変化に関する資料を収集した。また、都市における野生獣肉消費の実態と、都市住民にとっての獣肉の文化的意義に関する予備的な調査を実施した。 (3)持続的狩猟の社会的条件・地域社会の民族・社会関係に関しては、本年度はとくに、調査地域におけるコミュニティ・フォレストや共同狩猟区などの実施状況とそこにおける問題点についての情報を収集し、野生動物資源をめぐる地域社会の多様な利害関係についての問題点を整理した。 (4)野生獣肉の保全的利用の場合と比較するため、ギニアにおけるチンパンジー観察を対象にしたエコツーリズム、カメルーンのベヌエ国立公園周辺におけるスポーツハンティングの現状とそれらの問題点について予備的な調査を行った。
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