研究課題/領域番号 |
17251006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片山 剛 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30145099)
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研究分担者 |
小林 茂 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30087150)
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キーワード | 国際情報交換 / 中国:台湾 / 土地調査 / 地図学・地理学 / 地形図・地籍図 / 技術移転 / 東アジア農村社会 / 開発史 |
研究概要 |
片山は8月の国際シンポジウムで、中国大陸における20世紀前半の国民党による土地の把握・調査と20世紀後半の共産党によるそれとを対比し、両者の相違を大掴みに整理した。 11月に、台湾と国内からゲスト計6名(講演1名、コメント5名)を招いて「近代東アジア土地調査事業研究」第3回ワークショップを開催した。科研メンバーのうち3名が、9月の南京出張で収集した資料を解析した成果、1930年代前半の南京市街地で登記された「他項権利」は「抵押権」(抵当権)が主要であったこと;清代の八卦洲に存在した旗地(八旗旗人の土地)は、辛亥革命後も容易に近代的整理が進まず、20年代には地主権(所謂田底権に類似)が、30年代には佃種権(所謂永佃権に類似)が旗人に認められていたこと;江心洲開発史の分析から、一円的大土地所有が短期間で解体する様子、農地開発の主体が、案に相違して地主ではなく直接耕作者であったこと;等を報告した。ゲストによる中央研究院GIS計画の紹介、農業経済学からのコメント等もあり、有意義な会議となった。その詳細はニューズレター第4号に掲載される。 1月の広東省高要市金利鎮での農村実地調査では、「団体としての村」の実在を確認し、旧中国農村社会研究に一石を投じる大きな成果を得ることができた。連携研究者荒武は、前年度に引き続き、ドイツ統治下の山東半島の地政に関する資料の翻訳(その二)の監訳を行った。
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