研究課題/領域番号 |
17251010
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
石原 潤 奈良大学, 文学部, 教授 (70080265)
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研究分担者 |
秋山 元秀 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00027559)
小島 泰雄 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 助教授 (80234764)
小野寺 淳 横浜市立大学, 国際総合科学部, 準教授 (50292206)
松村 嘉久 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 助教授 (80351675)
高橋 健太郎 駒沢大学, 文学部, 講師 (30339618)
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キーワード | 中国陜西省 / 西安市 / 韓城市 / 都市化 / 城中村 / 生活空間 / 観光開発 / 商品作物 |
研究概要 |
今年度は、陜西省を対象地域とし、西北大学をカウンターパートとして、平成17年8月5目から23日の間に現地調査を行った。都市班は、省都西安市を対象に、都市化のパターン(小野寺)、「城中村」問題(秋山)、観光開発(松村)、野菜の流通(石原)を主テーマに、農村班は、省東部の韓城市域を対象に、農民の生活空間の変容(小島)、商品作物の普及(高橋)を主テーマに、それぞれ調査を行った。 その結果、都市班は、1、省都西安市では、急速な都市化が、国営事業所の「単位」空間、土地利用権を購入した企業による開発空間、都市化に取り込まれた「城中村」空間の、モザイク状に進展しており、2、特に土地所有権や戸籍において農村的性格を残す「城中村」において矛盾が集中していること、3、急速な観光開発が、さまざまな文化的・社会的問題を引き起こしていること、4、生鮮食料品の流通システムは、急速な変容をとげつつあるが、卸売段階、小売段階ともに、なお多くの問題をかかえていることを明らかにした。一方農村班は、5、農村住民の生活空間が、改革解放以後、兼業や出稼ぎを通じて急速に変容・拡大していること、6、近年、商品作物の導入が進展し、当地域では花山椒の栽培が農民所得の向上に寄与していることを明らかにした。 現地調査の準備、調査結果の情報交換、分析結果の相互討論のため、3回の研究連絡会を京都及び奈良で開催した。研究の成果については、平成18年3月4日に奈良市の北部会館で公開講座として市民に還元するとともに、3月28日に開催された日本地理学会大会において研究発表した。またこれらの研究成果は、中国側研究協力者の関連論文とともに、1冊の研究報告書として近く刊行の予定である。なお、来年度の調査の打ち合わせのため、小島が3月20日から23日まで甘粛省蘭州市の西北師範大学を訪問し、共同調査の基本的合意を得た。
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