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2007 年度 実績報告書

台湾における植民地主義に関する歴史人類学的研究-「日本」認識をめぐって-

研究課題

研究課題/領域番号 17251011
研究機関東洋大学

研究代表者

植野 弘子  東洋大学, 社会学部, 教授 (40183016)

研究分担者 三尾 裕子  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195192)
笠原 政治  横浜国立大学, 教育人間学部, 教授 (70130747)
五十嵐 真子  神奈学院大学, 人文学部, 教授 (50330410)
松金 公正  宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (50334074)
堀江 俊一  中京女子大学, 人文学部, 教授 (50190244)
キーワード文化人類学 / 植民地主義 / 歴史人類学 / 台湾 / 日本 / 中華 / 異文化接触 / 歴史認識
研究概要

本年度の研究活動は「中華」あるいは「中国」という視点をいれた資料収集並びに分析を行い、また「日本」認識の台湾における偏差をより明確化することを目指した。主たる研究活動と成果は以下のようである。
1.植民地統治期の記憶、戦後の「日本」認識について、「中華」を視野にいれた聞き取り調査を、台北・宜蘭・台南地域で行った。男女による差異を、公的世界と私的世界の両面から考察すべきことが明確となった。
2.台湾における「中華」認識に関して、名称上の「中華」・「中国」を「台湾」に変える「正名運動」について、本省人・外省人・原住民に対して聞き取りを行うなど、資料収集を行った。また、故宮博物院などの博物館の展示や文化行政に関する資料収集・分析を行った。これによって戦後の政治情勢の変化に伴い、「中華」・「日本」の表現も変わっていくことを指摘し得た。
3.台湾における「日本」認識を、台湾に在住していた日本人との交流から考えるべく、東部地域の漁民に対する調査を行った。また、この問題に関連して、植民地期に台湾に在住していた日本人についても、資料収集を行った。
4.植民地期の学者兼官僚が行った学問的調査と植民地政策策定との関係について、文献収集を行った。
5.「日本」認識の多様性に関して、植民地統治期の原住民の文化的変容について、苗栗・台東での聞き取り調査と文献収集を行った。また、「客家」の文化的アイデンティティと「日本」認識について、台北・新竹で聞き取り調査を行っている。
6.台湾における「日本」認識をより多角的に考察するため、研究会に外部講師を招き、メラネシアのポストコロニアリズムとの比較、東南アジアと台湾の人的交流、八重山と台湾との密接な関係などについて討議を行い、台湾の植民地主義の独自性への認識を深化させた。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 台湾における名前の日本化-日本統治下の「改姓名」と「内地式命名」2008

    • 著者名/発表者名
      植野 弘子
    • 雑誌名

      東洋大学アジア文化研究所研究年報 42

      ページ: 97-108

  • [雑誌論文] 台南文化上所受之日本統治的影響-研究高等女学校教育対台湾生活文化之意義2008

    • 著者名/発表者名
      植野 弘子
    • 雑誌名

      南瀛的歴史、社会與文化編輯委員会編『南瀛的歴史、社会與文化』 (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comments2008

    • 著者名/発表者名
      Ueno Hiroko
    • 雑誌名

      Proceedings of "A Preliminary Study on Transnational Communities in Asian Peripheries: Perspectives from Comparative Area Studies, " edited by Matsumoto Seiichi and Nagatsu Kazufumi, Asian Cultures Research Institute, Toyo University,

      ページ: 51-56

  • [雑誌論文] コメント2008

    • 著者名/発表者名
      三尾 裕子
    • 雑誌名

      内なる他者=周辺民族の自己認識の中の「中国」(東北大学東北アジア研究センター設立十周年記念シンポジウム・地域研究コンソーシアム連携シンポジウム論文集 (印刷中)

  • [雑誌論文] 植民地期における日本仏教による台南地域への布教2007

    • 著者名/発表者名
      松金 公正
    • 雑誌名

      崔吉城・原田環編『植民地の朝鮮と台湾-歴史・文化人類学的考察-』

      ページ: 287-330

  • [雑誌論文] 東アジアの政治的変化にみる越境-台湾の韓国華僑にとっての中華民国2007

    • 著者名/発表者名
      上水流久彦・中村八重
    • 雑誌名

      広島県立大学論集 11-1

      ページ: 61-72

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 屋内埋葬の慣習が廃棄された頃-日本統治時代の記録に残る高一生(矢多一生)の発言をめぐって-2007

    • 著者名/発表者名
      笠原政治
    • 雑誌名

      高一生(矢多一生)研究 7

      ページ: 10-16

  • [雑誌論文] 海の女神 媽祖2007

    • 著者名/発表者名
      三尾 裕子
    • 雑誌名

      Ship & Ocean Newsletter 175

      ページ: 6-7

  • [学会発表] 台湾植民地統治期の訃聞-主として親族研究の視点から-2007

    • 著者名/発表者名
      上水流 久彦
    • 学会等名
      日本文化人類学会第40回研究大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2007-06-03
  • [図書] 台湾外省人の現在-変容する国家とそのアイデンティティ2008

    • 著者名/発表者名
      S. コルキュフ(上水流久彦・西村一之訳)
    • 総ページ数
      261
    • 出版者
      風響社
  • [図書] 台湾阿美族之社会組織及其変化:従招贅婚到嫁娶婚2007

    • 著者名/発表者名
      末成 道男
    • 総ページ数
      415
    • 出版者
      台北:中央研究院民族学研究所

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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