研究課題/領域番号 |
17251017
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
小長谷 有紀 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (30188750)
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研究分担者 |
嶋田 義仁 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20170954)
境田 清隆 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10133927)
北川 秀樹 龍谷大学, 法学部, 助教授 (60360252)
窪田 順平 総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (90195503)
那沁 ナチン 首都大学, 東京・都市環境学部, 客員研究員 (60398352)
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キーワード | 中国 / 環境政策 / 環境問題 / 移民 / 貧困問題 / 内蒙古 / 民族問題 |
研究概要 |
生態移民研究実績の概要 平成17年9月に刊行された『中国の環境政策「生態移民」』を中国語に翻訳し、この成果をたずさえて、9月に北京で国際シンポジウム「生態移民の事前評価に関する会議」を実施した。中国側からはカウンターパートである中国社会科学院からの研究者をはじめ、中央から行政担当者および全国各地から研究者が集まり、現場をふまえた両国の研究者たちのあいだでの間題意識を共有することができた。 中国の環境政策「生態移民」は、これまで中国で行われてきた環境政策を引き継ぎながら、とりわけ貧困対策との接合方法として実施されている。しかし、実際の現場では、経済的側面においての効果が小さいか、あるいは逆効果にさえなっている事例が多く見出された。こうした問題は「貧困と環境」の一般的な悪循環論を克服するどころか、「貧困の潜在化」として抽出されるべき点であるため、今後はその原因を探ることを中心として、文科系からの環境問題へのアプローチが重視されることになるだろう。 具体的には、来年度に、この環境政策の最も中心的な現場である中国内蒙古自治区を訪問し、共同現地調査と首府フフホトでの国際会議の実施を行うことで合意した。現在、上記の書籍は英語に翻訳中であり、日本と中国の2カ国間のみならず、英語によってより広く国際的に研究成果を発信することを本研究はターゲットに入れている。 また、国内の研究会では、大学院レベルで本テーマに関わる研究者を集めて研究会を開催し、研究者ネットワークを構築することができた。若手研究者の養成を実現しながら、推進する。
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