研究課題/領域番号 |
17251017
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
小長谷 有紀 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (30188750)
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研究分担者 |
嶋田 義仁 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20170954)
境田 清隆 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10133927)
北川 秀樹 龍谷大学, 法学部, 助教授 (60360252)
窪田 順平 総合地球環境学研究所, 助教授 (90195503)
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キーワード | 中国 / 環境政策 / 環境問題 / 移民 / 貧困問題 / 内蒙古 / 民族問題 / モンゴル |
研究概要 |
昨年度より協力体制を維持している中国内蒙古自治区経済計画局とともに企画立案をすすめた。 その結果、7月2日から9日までオラトおよびオルドス地域での実態調査、つづいて7月10日から11日まで首府フフホトでの国際会議を行なった。 実態調査では、とりわけ現地の行政担当官との対話によって、環境政策が中央において変化しつつあるのに対して地方では旧来の政策がそのまま固守されているという問題点が浮かび上がり、国際的な交流が地方で実現することによって穏便に政策の見直しが必要であることを提示することができた。 また、首府での国際会議は、現地側の希望により「中国乾燥地域における環境保全と持続的発展」というタイトルを掲げた結果、参加者80名、発表者40名という大規模な会議となり、成功裏に終えた。日本からは科研メンバー以外にも自己資金等により5名が参加し、さらにまたモンゴル国からの出席者も加わった。その成果はHPで速報として掲げている。http://www.minpaku.ac.jp/research/sr/17251017_02.html 本国際会議では、政策の実施過程で生じる矛盾の指摘や批判を超えて、解決のための実践例が具体的に提示されたことが最大の成果であった。これらの実践例から、中国環境政策のうち、少なくとも「生態移民」政策にっいては大きく転換期を迎えていることが了解された。こうした転換には、国際的な研究活動の影響があるものと思われる。 国際会議における諸発表は、現在、編集中であり、来年度早々に書籍としてとりまとめられる予定である。 最終年度である来年度に向けて「政策実施の事前評価」について焦点をあてて議論するために、まず国内での研究会を11月19日に実施し、中国から関係者3名を12月18日から24日に招聘した。こうした打ち合わせの成果を利用して、来年度は10月27日から28日まで北京で国際会議を開催する予定である。 また本研究に関連して以下の活動も行なった。すでに上梓している『中国環境政策生態移民』の英語版の編集。モンゴル高原の北部の環境保全に関する「モンゴル環境保全ハンドブック」についての編集、印刷、配布。移民政策実施地域における、NGO活動の企画。
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