研究課題/領域番号 |
17251017
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
小長谷 有紀 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (30188750)
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研究分担者 |
嶋田 義仁 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20170954)
境田 清隆 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10133927)
北川 秀樹 龍谷大学, 法学部, 教授 (60360252)
窪田 順平 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (90195503)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 中国 / 内蒙古 / 砂漠化 / 環境政策 / 政策評価 |
研究概要 |
1)『中国の環境政策「生態移民」』は、中国の近年の環境政策である「生態移民」に関して、世界で最初の実態調査報告書である。本研究では、これを中国語に翻訳し、平成17年10月に中国北京で実施した日中国際シンポジウム『生態移民と環境影響評価』で資料として配布し、政策転換の議論を促した。その後、本中国語訳テキストは内蒙古大学出版会から書籍として刊行され、中国の大学における環境問題を考察するうえでの教科書として指定された。また、本書はこの問題を環境・経済・文化の側面に分析的に考察する点が優れているため、英語でも刊行されることとなった。 2)同上シンポジウムでは、日中両国の研究者が諸事例を持ち寄り、生態移民政策の矛盾を列挙することによって、本政策に対する見直しの契機となった。すなわち、地域的な環境問題についても学術的な観点から国際的に影響力を与えうるという社会的意義が明らかとなった。 3)翌18年度は、内蒙古自治区首府フフホトで同様のテーマを含む日中国際シンポジウム『中国乾燥地域における環境保全と持続的発展』を実施し、本政策が地元住民の立場を考慮するものへと転換されていく機運を作った。本シンポジウムの成果は中国語書籍として刊行された。 4)翌19年度は、基礎文献のデータベースを作成し、北京師範大学で日中国際シンポジウムを実施した。同シンポジウムでは「民俗環境学」という分野の確立を促すとともに、生態移民のセッションにおいては、環境影響評価のためのガイドラインを作成し、提案した。本提案は今後の研究で継続的に検討されることとなった。
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