研究課題/領域番号 |
17252003
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
中兼 和津次 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80114958)
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研究分担者 |
佐藤 宏 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50211280)
厳 善平 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (00248056)
新保 敦子 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90195769)
阿古 智子 姫路独協大学, 外国語学部, 助教授 (80388842)
羅 歓鎮 東京経済大学, 経済学部, 助教授 (80307793)
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キーワード | 中国経済事情 / 貧困研究 / 援助研究 / 農村研究 |
研究概要 |
今年度は昨年度の実績の上に立ち、以下のような調査研究活動を行った。1)昨年度は中国西南地域における貧困農村の調査を行ったが、今年度は西北地域の貧困県である甘粛省夏河県において、甘粛省社会科学院社会学研究所に依頼して100戸の農家を対象に実態調査を行った。調査表は回収し、エクセルファイルに入力済みで、分析用に全員にデータを配布している。2)その調査表作りのために国内において2回にわたり研究会を開催した。3)また研究分担者と協力者合わせて7名を8月9-14日にかけて蘭州および夏河県に派遣して、聞き取り調査、資料収集ならびに甘粛省社会科学院との打ち合わせを行った。これまで入手不可能とされた県レベルの統計年鑑を系統的に収集できたことは大きな成果といえよう。4)2月28日と3月1日の2日間にわたり、蘭州において雲南省社会学院、甘粛省社会科学院と合同でこの研究プロジェクトをめぐるワークショップを開催し、日本からは5名が参加し、報告、討論を行った。そのさい、来年度の研究活動についても議論され、雲南省と甘粛省の2カ所で農村調査を行うこと、また昆明で研究ワークショップを開くことが決められた。5)来年度の調査地点選択のための予備調査に、2名の研究分担者を雲南省昆明および楚雄市に派遣し、来年度の調査地点をほぼ固めることができた。6)6月に雲南省の2名の研究協力者を東京に招待し、昨年度実施した金平県における調査にかんして細かな検討が行われ、また今後の調査表作りについて話し合われた。 本来ならば、寧夏回族自治区においても甘粛省において実施したような農家調査を行う予定だったが、直前になって調査協力機関である西北第二民族学院の責任者から連絡を受け、調査対象県の十分な協力が得られないことが分かり、中止せざるを得なかったことはきわめて遺憾なことだった。他方では中国農村における今後の調査実施に大きな教訓を得ることができたといえる。
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