研究課題/領域番号 |
17252007
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
陳 光輝 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (00188509)
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研究分担者 |
中兼 和津次 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80114958)
大島 一二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (40194138)
丸山 知雄 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (40334263)
唐 成 桃山学院大学, 経済学部, 助教授 (20424187)
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キーワード | 中国 / 内陸開発 / 農家行動 / ミクロ分析 |
研究概要 |
昨年度に引き続く四川省社会科学院農村経済研究所(郭暁鳴所長)との間の緊密な研究協力体制のもとで、農村家計調査、地元政府関係部門等に対する訪問調査と郭所長を日本に招聘しての日本との比較調査、研究集会を行った。 農村家計調査は社会科学院農村経済研究所に委託して、下記の2ヶ所で行った。 ・四川省江油市新春郷、川口鎮等4郷鎮の計7村(205世帯) ・四川省小金県新橋郷等3郷の計6村(158世帯) 個々のデータ入力は完了したが、計363世帯のうち311は昨年度も調査した家計で、われわれのデータはローリングパネルになっている、昨年度のものとつき合わせての編集作業を現在進めている。 訪問調査は四川省小金県と同剣閣県について各1回行った。 ・小金県は昨年度に引き続くもので、県衛生局、扶貧弁公室、教育局、新橋郷人民政府担当者への聞き取り、学校、病院、まつたけ加工工場、ワイン工揚などの見学・聞き取り調査を行った。 ・剣閣県では当該県および剣門関鎮政府の各部門担当者や農家、工揚、学校、病院等で聞き取り・見学調査を行った。 日本での比較調査、研究集会では中国の農民、とくにインフラ建設等に伴って発生する「失地農民」の状況が報告・議論された。 中国は現在、「和諧社会」というスローガンのもと、財政資金を投入して「新農村建設」を行っているが、医療や教育など、確かに一定の成果が得られている部分がある反面、多くの農民は出稼ぎへの依存度が大きく、地方政府も「労務輸出」政策を積極的に推進しているなどの実情を今年度の各調査によって知ることができた。パネルデータ編集作業が完了すれば、こうしたことを数量的・計量経済学的にも明らかにすることができると期待している。
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