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2007 年度 実績報告書

中国内陸部農村住民の生産・消費行動のミクロ分析

研究課題

研究課題/領域番号 17252007
研究機関神戸大学

研究代表者

陳 光輝  神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (00188509)

研究分担者 中兼 和津次  青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80114958)
丸川 知雄  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40334263)
唐 成  桃山学院大学, 経済学部, 准教授 (20424187)
加藤 弘之  神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70152741)
梶谷 懷  神戸学院大学, 経済学部, 准教授 (70340916)
キーワード中国 / 内陸開発 / 農家行動 / ミクロ分析
研究概要

一昨年度と昨年度に引き続き,個票データの利用や収集が必ずしも容易でない中国,かつその内陸部農村地域の調査を,四川省社会科学院農業経済研究所の協力を得て行い,四川省江油市農村地域206戸×3年,同小金県農村158戸×3年のパネルデータ(3年間継続して調査できたのは前者が142戸,後者は127戸)を構築した.中国の内陸農村地域は沿海や都市部に比べて長い間伸び悩み,利子補填融資,財政支援,雇用創出を柱としてきた貧困支援策のほか,現在は「新農村建設」政策が打ち出されている.そうした環境下の住民の行動を「開発のミクロ経済学」を理論ベースとして分析し,以下のような知見が得られた.
1.山間部にある小金県は貧困世帯が多いが,政府からの移転所得は必ずしも貧困家庭のほうが多くを受けとっておらず,貧困支援策がうまく機能していない可能性がある.
2.所得水準の低い小金県のほうが道路,電気,水道・水利,医療施設といったインフラの現状に対する満足度は低く,整備を望む度合いが大きかった.
3.小金県の農業は,より恵まれた江油市のそれに比べて土地生産性が低く,得られる所得も低いが,それ以上に小金県は出稼ぎを含む非農業所得がめだって小さい.
4.小金県の出稼ぎが少ない理由として,土地利用権の保障や農家間で土地を貸し借りする制度が十分でなく,出稼ぎのリスクが大きくなっていることが考えられた.
5.天候不順などの収入低下ショックに直面した場合,江油市農家は貯蓄の取り崩し,小金県農民は親戚・友入からの借り入れに頼る度合いが大きかった.
6.教育の収益率は有意であった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 移行経済論-その2-体制移行の結果とその評価2008

    • 著者名/発表者名
      中兼 和津次
    • 雑誌名

      青山国際政経論集 74号

      ページ: 1-61

  • [学会発表] 天候不順による農業生産ショックと農家の対処メカニズムの実態調査2007

    • 著者名/発表者名
      寶劔久俊
    • 学会等名
      中国経済学会学術報告会(東日本部会)
    • 発表場所
      東京学芸大学
    • 年月日
      2007-11-17
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 中国の政府間財政移転の決定要因と経済効果;県レベルデータを用いた実証分析2007

    • 著者名/発表者名
      梶谷懷
    • 学会等名
      アジア政経学会2007年全国大会
    • 発表場所
      東京女子大学
    • 年月日
      2007-10-13
  • [図書] 中国農村改革と農業産業化政策による農業生産構造の変容2008

    • 著者名/発表者名
      池上彰英(編著)
    • 総ページ数
      205
    • 出版者
      アジア経済研究所
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] グローバリゼーションの国際経済学2008

    • 著者名/発表者名
      西島章次(編)
    • 総ページ数
      147-73
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 現代中国の産業:勃興する中国企業の強さと脆さ2007

    • 著者名/発表者名
      丸川知雄
    • 総ページ数
      270
    • 出版者
      中央公論新社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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