研究課題
本研究は、フィールドワークに基づく事例研究により、アフリカの社会における教育のあり方を多面的に再検討しようとするものである。研究全体の運営を円滑にするため、年度当初(5月)に全体研究会議を、年度末(2月)に研究会をそれぞれ開催した。研究協力者・関係者間での情報の共有化と関係者以外への調査結果の公表を随時行うよう心がけた。また、このような研究会は、本課題に関心を有する学生・研究者に開かれた場とし、研究組織が目指している方向性について理解を深めてもらった。研究組織の役割分担は、対象国において調査経験のある者を主担当とし、次にそれぞれの専門分野により教育サブセクター(高等教育、女子教育など)あるいは調査手法(質的調査、計量分析など)を分担し、調査実施国の研究ニーズおよび応用する調査技法について議論を進め、研究テーマを絞っていった。特に、比較的当該分野の研究が先行しているアジアの経験を参考に、アフリカにおける独創的な調査およびフィールドワークの枠組みを構築する準備をした。また、アジアおよびアフリカ地域間、ならびに同一地域内で自由な意見交換と率直な議論を行うことで、個別研究にはない、研究者相互の知的刺激を重視した。本年度(第1年次)の成果としては、ケニアおよびガーナ他において、研究全体のモデル的なフィールドワークの端緒となる調査ができたこと、および共通の研究課題をある程度設定し、横断的な比較研究が行いやすい環境作りをしたことである。
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国際教育協力論集 8・2
ページ: 89-96
ページ: 15-24
ページ: 75-87