研究課題
本研究は、フィールドワークに基づく事例研究により、アフリカの社会における教育のあり方を多面的に再検討しようとするものである。これまで計量分析が主流であった教育開発研究に対して、事例研究を重視し、質的分析を行うことにより、多様な社会における教育の意味を総合的に把握しようとする試みである。この成果をもとに、学術研究と国際協力の実践を相互補完的に融合させ、新たな国際教育協力の展望を拓くことにも貢献するものである。研究協力者・関係者間での情報の共有化と関係者以外への調査結果の公表を随時行うため、日本比較教育学会(6月)において、「アフリカの教育開発と国際協力-フィールド調査の再考-」をテーマとするラウンドテーブルを開催した。本課題に関心を有する学生・研究者に開かれた場となり、新たな研究の方向性を模索することが可能となり。アジアおよびアフリカ地域間、ならびに同一地域内で自由な意見交換と率直な議論を行うことで、個別研究にはない、研究者相互の交流を図ることができた。前年度の予備的フィールド調査および研究会での議論を踏まえ、本年度はアフリカの社会における教育のあり方を再考察するための研究枠組みの基礎を構築した。そのため9月に研究課題関係者による合同調査をケニアで行い、それぞれの得意とする研究分野(初等教育、女子教育など)や研究手法(質的調査、計量分析など)について議論を深め、教育セクター内での学際的研究を試みた。また、本年度からアフリカ側大学関係者との交流をより促進することにより、現地での研究実施体制をさらに強化した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
国際教育協力論集 9・2
ページ: 15-25
ページ: 27-36
ページ: 59-70
ページ: 71-84
ページ: 97-111