研究概要 |
COSMOSプロジェクトでは、現在までにはハッブル宇宙望遠鏡、すばる望遠鏡、ヨーロッパ南天天文台VLT、NASAのチャンドラX線天文台、ESAのXMM-Newton X線天文台、米国のVLA電波干渉計など、世界に誇る最高性能の望遠鏡を駆使して、COSMOSプロジェクトの2平方度にも及ぶ天域の多波長観測を展開してきた。平成20年度は最終年度にあたるので、主として研究成果全般のとりまとめを行った。COSMOSプロジェクトチームとしては、平成20年6月にフランスのパリ天体物理学研究所でチーム会議を行い、ここ1年の研究成果報告と今後の研究戦略について議論した。参加者は100名で、我々のチームからは6名が参加し、それぞれ研究成果を高等発表した(赤方偏移4,9と5.7の星生成銀河の発見、赤方偏移1.2の星生成銀河の星形成メカニズムの解明などに関する講演)。谷口はサイエンス・ステアリング・コミッティのメンバーなので、研究会全体の科学組織委員として活動した。また、平成20年7月には123億光年彼方のモンスター銀河(星を大量に生成している巨大銀河:従来はそのような遠方には存在していないと考えられていた)を発見し、米国NASAのシュピッツアー科学センターからプレスリリースを行った。この成果は国内外のメディアに取り上げられ、大きな反響を呼んだ(国内では朝日新聞など)。これは研究成果の一般の方々に対する還元ということで、研究者としての責任を果たすことができた(なお、COSMOSプロジェクトでは今まで合計4回のプレスリリースを行った)。最終年度に伴い、平成17年度から20年度までの成果をまとめた研究成果報告書を作成し、関連研究者に配布した。
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