研究分担者 |
藤本 博己 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (50107455)
笠原 稔 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (40001846)
高橋 浩晃 北海道大学, 大学院理学研究科, 助手 (30301930)
佐藤 忠弘 自然科学研究機構国立天文台, 電波研究部, 教授 (10000176)
孫 文科 東京大学, 地震研究所, 助教授 (10323651)
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研究概要 |
本年度は,2006年5月27日から同年6月17日までの期間について現地にて野外観測を実施した.研究代表者(三浦)は,この間,米国側共同研究担当者ジェフ・フライミューラー教授の所属するアラスカ大学の助手,大学院生とともにGPS連続観測点3点の設営にあたった.研究分担者(孫)は,5観測点において絶対重力測定を実施し,研究分担者(佐藤)は,アラスカ大学構内において重力潮汐の連続観測を立ち上げた. GPS連続観測点においてはデータを現地収録としているため,平成19年度に実施予定の野外観測時に現地に赴きデータを取得する予定であり,現段階ではデータ解析には至っていない.絶対重力測定を実施した5観測点のうち,1観測点では,カリフォルニア大学サンディエゴ校のグループが1987年に測定を実施しており,今回その点で再測することができた.その結果,最近19年間の問にこの点での絶対重力値が約100μGalほどの著しい減少を示していることが明らかとなった.この減少量はGPSによって推定されている顕著な隆起速度と比較しても矛盾のない結果であり,また,氷河の後退現象に伴う重力変化としては,世界的に見ても最大級のものであることが判明した.他の4観測点においては初めての測定であったが,さらに大きな隆起速度の場所にあるため来年度実施を予定している再測の結果ではより大きな重力変化率が得られることが期待できる.重力潮汐観測のデータはインターネットを介して東北大学にリアルタイムで伝送されている.佐藤による予備的な潮汐解析結果によると,研究対象地域の複雑な海岸線を考慮した詳細な海洋潮汐荷重を考慮することにより,観測値をかなり良く説明できることがわかった.
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