研究分担者 |
有馬 眞 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (10184293)
廣井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
豊島 剛志 新潟大学, 自然科学研究科, 助教授 (10227655)
大和田 正明 山口大学, 理学部, 助教授 (50213905)
馬場 壮太郎 琉球大学, 教育学部, 助教授 (10347122)
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研究概要 |
本研究計画では,ユーラシア大陸極東域(東アジア)全域における古生代末〜中生代初期に起こった微小大陸衝突帯の正確な地域分布を明らかにし,そこでの変成・火成作用を含む深部地質現象を正確に解析することをめざす.そのための初年度における研究として,以下の項目を実施し成果を得た. 1.ベトナム,中国雲南省,ミャンマー北部において,インドシナ-南中国地塊境界地域,インドシナ-シブマス地塊境界地域および北東ヒマラヤシンタクシス地域の野外調査を実施し,精密な地質情報の取得と各種分析のための最適試料収集を行った.これらの調査で得られた各地域を代表する岩石について,精密な鉱物化学分析およびマルチアイソトープによる年代測定を行った.その結果, 2.インドシナ-南中国地塊の衝突境界となるベトナム中部・コンツム地塊において,ダイアモンドを含む超高圧変成岩を東南アジアから初めて発見し,SHRIMP IIによる微小領域年代測定結果とあわせて,石炭紀末からトリアス紀初期にかけての微小大陸衝突プロセスを鮮明に解析した.また,ゴンドワナ超大陸およびテーチス海に起源を持つ各種変成岩の識別を行った. 3.雲南省西部およびミャンマー北部地域における野外地質調査では,新たな地質情報として,この地域でペルム紀-トリアス紀に起こった3つの異なる微笑大陸衝突現象を確認し,それぞれの衝突境界深部で形成された多様な岩石を見出した.また,これらの地域において,アジア大陸形成の最終段階となる新生代のインド亜大陸衝突にともなう再変動・変形過程を区別することに成功した. 4.次年度以降の調査・研究を迅速に展開するため,共同研究者を関連地域に派遣し資・試料の収集を行った.その結果,極東ユーラシア全域における地球物理学データに基づく精密な深部構造情報を得た.また,アジア大陸の起源を考察する上で重要な,ゴンドワナ超大陸に関する新たな地質情報を得た.
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